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Ethos-Annex

tanbi3.exblog.jp
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2004年 02月 23日

心理的に多忙

物理的には大した忙しさではない(むしろ暇気味)なのに物事の進まないことよ・・・。
本も山積みになってきてるし。こんなんで3月下旬に引越しなんて可能なのか知らん。
といって逃避に走っても余計事態が悪化するだけだしなあ・・・。


佐々木貞子『好きじゃなければやってられない』は割と良くあるライト系。
頑張り屋の主人公が空回りしかけるのを人を食った攻がフォローして癒すと。
自意識の過剰には気をつけないといけないなあと読みながら思いつつも抜けられない。


北川とも『穢れない罪』はなあ。これも流される受というかなんというか。
話の背景となる権力争いはまあいいけど、良くホモばかり出てくるなあという感じ。
主人公の兄や攻の造形とかにはあまり好印象を持たない。


真瀬もと『きみは天使ではなく』は舞台背景についての書きこみがなあ。
近代英国貴族の話にした意味が殆んど感じられない。身分差を強調したかったのか?
あるいは受の家の没落や世間知らずさを書きたかったのか。まあいいや。
ライバルの弁護士を詐欺にかけるあたりがそれなりに書きこもうとしているのに、
概念が空回りしている感じで、読んでいて説得性に乏しい。典型的な読み流し対象。


高遠琉加『好きで好きで好きで』はなあ。受攻に同じ時間軸を辿らせるのはどうかと。
前半の受の話しはベタだけれどもそれなりには書けていたのに、後半になって
攻の話になると心情の説明不足で、単なる身勝手でへたれな男に見える。
あれじゃあ何で受が惚れたのか分からなくなってしまう。最後も唐突だし。
受だってマダム・バタフライじゃないんだからそんなに都合良く惚れつづけるかと。
とりあえずくっつけたんだからハッピーエンドみたいなのはどうなんだろう・・・。


朝丘みなぎ『サニーサイド』はしっかりしていて、安心して楽しむことが出来た。
まあBLらしいかといわれると首を傾げざるを得ないところはあるけど。
以下ネタバレ・ですが、上司である恋人を殺したと思い高飛びしようとした受が
金を下ろしにいった銀行で強盗に遭遇。しかも2組。そのうち失敗した方の犯人が
実は昔告白をしたことがある高校の同級生だった、というストーリーだからなあ。
まあ所々文章力に任せて適当に流している部分が見られたけたのはご愛嬌だけど、
特に昔話での告白の下りなどはなかなか読ませるなあと唸ってしまった。
久しぶりに即ダンボール行きとはならなかった作品。今年2冊目か3冊目くらいかな?


某所で痛管が晒し挙げられているのを見るにつけ、明日はわが身かと不安に駆られる。
ここも痛いのは分かっているつもりではあっても、自分には分からない痛さというものが
あるだろうからなあ。過去の汚点もあるし、反省しきれていない自分もいる。
Webに文章を晒している時点でそういうリスクを負う覚悟はしたつもりだけど、
やはり小市民としての臆病さは隠し切れないわけで。それでも書くんだから仕方ない。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)

# by bonniefish | 2004-02-23 12:42 | 小説感想
2004年 02月 13日

転機

私事でバタバタしていて間が空きました。退職や引越しを伴う事態なので・・・。


橘かおる『閉ざされた愛の記憶』は流される受けの典型例かしらん。
ほとんど犯罪レベルの強引さの攻めに流されるままデートしてHしてというのにも
ファンがいるんでしょうねえ。主人公に移入して読むタイプの私には辛いですが。
2回目のショックを受けた後にいきなり受けの性格が変わっていて、
攻めが戸惑っていたがそれ以上に読者の方が戸惑うだろうオイ・・・。
主人公の性格が変わるのをショックだったからという一言で片付けるつもりですか?
あとは主人公の兄の常軌の逸し方もどうかと思うし、それ以上に描写が薄っぺら。
途中の展開は(おそらくへたれだからだろうが)二転三転していたので
描写力と説得力と構成力をつければ悪くないレベルにもなりそうな気がするが。

部屋に本が溜まってる・・・早く消化しないとなあ。荷詰めも鬱だ・・・。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)

# by bonniefish | 2004-02-13 12:54 | 小説感想
2004年 02月 03日

エネルギー低下

この週末は特に予定もなかったので、溜まっている801小説誌を読むつもりだった。
ショコラ、アイス、ラキア、リンクス、ディアプラスと10冊ほど積んであったので。
ところがショコラを2冊読むだけで挫折してしまった。それ以上読む気がわかなくて。

昔は新規発掘や情報収集を兼ね雑誌も読んでいたが、正直今はそこまで金と時間を
投資する必要がないような気がしてきた。はずれを引く可能性が高いし無駄に思える。
小説B-boyは大分前に読むの辞めたし、BEaSTもこの間から買うのを辞めたが、
他の雑誌についても絞りこむべきかなあと思う。ショコラ、アイス、ラキアあたり。
どうせ単行本で買うときに当たりをつけていけば良いという感じになってきていて。
本来は単行本にならないような好みのものを探すために買っていたわけだけれど、
そこまでして読もうとは正直思えなくなってきているので・・・。

むしろ自宅で801小説を読もうと思えなくなってきていると言う方が適切かもしれない。
コミックは手軽に読めるからともかく、ゲームやらCDやらの娯楽がある自宅において
わざわざ801小説、しかも当たる確率の低いものを読むインセンティブが無いなあと。
現在単行本はかなり読んでいるが、これはひとえに移動中の暇潰しのためなわけで。
要は801に対する欲求が淡白になってきているということなんだろうなあ。
まあここを見ていれば分かるとおり、読む本読む本の粗が目に付く現状からすれば
当然なのかもしれないけど。一抹の感慨のようなものもありますね。
それでもディアプラスとリンクスはまだ好みとのシンクロニシティが高いから
引き続き読むんだろうなあ。いっそ小説Charaでも買うかねえ。

余談だけど、なぜリンクスはショート連載陣を異動で見なおす時にTONOを切って、
まんだ林檎や動物漫画などの不気味で方向性を間違えたものを残したんだろう・・・。
まあ彼女の漫画が読み手を選ぶものなのは確かだけど、面白いと思うんだがなあ。
少なくとも勘違い育児漫画や動物漫画よりマシだと思うけど、感覚が違うのだろうか。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)

# by bonniefish | 2004-02-03 14:03 | 801雑記
2004年 01月 29日

後処理

下の日記に誤字があったのであちこち訂正・・・。ダメダメ・・・。


火崎勇『もう一度キスして』はどこかでで既読だったようだ。続編は記憶に無いが・・・。
例によって微妙に固く説明過多な文章で、機械的に書いているのかと思ってしまう。
特に続編の冒頭で状況を説明するあたりは本作に限らずどの作品でもノリが同じで
10ページくらい読むまで初読だと気付かなかったくらい(笑)。
ありがちな互いの心情のすれ違いなのはともかく何でこんなに言い訳臭いんだろう。
あと突然登場して悩みを打ち明ける友人というのもパターン化していてどうかと思う。

まあハーレクインのように定番パターンを望むファン層が多いことを考えれば、
自らの築いた地位やイメージを崩さず量産している点はお見事なのかもしれないが。
でもこれっていわゆる「萌え」から最も遠くなるような気がしなくもないのだが、
売れている点から見れば萌えている読者もいるのかも知れず、仮にそうだとすると
分からないなりに私が持っている「萌え」のイメージが違うという事になりそうだ・・・。


そういえばまた801板の消えてスレで鷺沼やすな女史が話題になっていたなあ。
確かにお金の人との合同同人誌の話を聞いた時は激しく驚いた記憶がある。
まあ話題となっていた「昔からの発言」とやらを全く知らないので何ともいえないが、
ちょっとした言葉尻を捉えて小馬鹿にしてるだけという気もするが。場所も場所だし。
プライベートで至らない点があっても作品の質とは直接的には関係しないとも思う。
まあ私は間違いなく鷺沼信者なので、目が曇っている部分もあるんだろうなあ。
稀有な作家だと思っているので、ああいった場所で名前を見てしまうと気になる。
いろんな読者がいるのは当然だから聞き流せれば良いんだろうけどねえ・・・。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)

# by bonniefish | 2004-01-29 16:49 | 小説感想
2004年 01月 28日

「もにょる」

これも私の趣味がばれそうな語彙ですが、意外と便利なんですよねえ・・。
週末はプライドを捨てるためのあがきに忙しかったので更新せず。いやはや。


あまり801を読む時間も無く、3冊しか読んでいないのだがどれもねえ・・・。
まずはせんとうしずく『恋の逆襲ゲーム!』はネタが・・・。
昔いじめられっ子だったキャラが二次成長で一気に男前になって元いじめっ子を攻める
というのも非常に良く見るパターンだがまあそれはラピスだから仕方ないとして、
作中で受がいきなりBLゲーをやってハマり出すというのにはついていけなかった。
まあ受はエロゲー自体やったことがないという設定だからあり得ないとは言わないが、
そんなものを題材にされた時点で個人的には萎えまくってしまう。何がしたいの・・・?
他はラピスとしては感情の動きとかをそれなりに書けている気はするけどねえ・・・。


麻生雪奈『ろくでなしHearts』は微妙。自分が年を食ったことを実感させられた。
設定も悪くないし筆力もある作家だし、『制服』はよく読み返す数少ない本の1冊である。
でもなんか妙にキャラが理屈っぽいというか説教くさい感じで、読んでいてイライラする。
キャラや地の文がが正論を吐きすぎで、青臭いと言うか入り込めないものを感じたし。
要は私がひねていて正論を真正面から言われてもくさすしかないということなのだが、
BLでやられてもしょうがないと言うか萌えにくいと言うかとにかくやりきれない。
この本も悪くないんですよ。受や攻のそれぞれの葛藤とかそれを克己する様とか。
まあ攻の行動がとっぴ過ぎるのと受があっさりそれを受け入れてるのはご愛嬌ですが。
あばたもえくぼ、「運命の出会い」にケチをつけるほど野暮なことも無いでしょうて。
とにかくもっと恋愛話を素直に書いてくれないかと切に願う。作者のメッセージ性強すぎ。

つうかこういう作家としては他に火崎勇やたけうちりうと辺りが思いつくけど、
なんで筆力あるのにわざわざそれを壊すような地の文をつけるんだろうか・・・。
やはり恋愛譚以外の言いたいことがあるんだろうなあ。それは良くわかる。
だったらサイトの日記とかでやってくれればいいんだが。作中人物の口を借りずに。
もちろん作中人物がメッセージを吐くことは全く構わないし好ましいとも言えるけど、
あまりにも多すぎたり恋愛との関連が薄すぎたりすると流石に萎えるなあ・・・。


嶋田まな海『ここが僕らのお城です』も微妙な感想。
ホモに溢れる男子高学生寮と言うネタの割に主人公へのブラインドのかけ方がうまく、
また軽いトラウマから来るホモへの嫌悪感と言うのもそれなりに料理できているのだが、
肝心の恋愛感情を育む部分が致命的に薄い。というか殆ど書かれていない。
暴走した攻から言い訳として「好きだ」と言われ、謝られてそれを受け入れる過程で
少しは受として心中を整理した描写はあるものの、そこから攻を受け入れるまでが
あまりにもあっさりしすぎ。しばらく過ごしてたらいきなり「好き」とか言い出してるし。
もとから潜在的に好意があったのはわかるが、一応トラウマや嫌悪の具体例まで描き
それで一旦関係をこじらせたあとの処理としては、あまりにもなおざりな気がする。

もう一本別カップルの話があるが、これも「気付いたら相思相愛でセックス」と言う感じで
どのようにお互いの感情が恋愛へと踏み出していったのか殆ど書かれていない。
「男は当然男にほれる、女って何?」という801ワールドな世界観なのだとしたら
(その可否はともかく)まだ判らなくもない展開だが、この本はそこまで行ってもないし。
(つうかそんな世界観の本だったらそもそも手に取らないし読むのに耐えられないけど。)
前半ぐだぐだ悩みを書いた癖にあっさり相思相愛になってHと言うのにも萎えてしまう。

あと別カップルの話はいきなり寮生が一致団結して、受けと敵対する義兄や父親を
やり込めるのだが、この辺りが誠に単純に処理されているのにももにょってしまった。
そんな簡単に親子関係が片付くかと、どんな世界かと、ご都合もいい加減にしろと。
まあ801ワールドの話なんでこんなところに突っ込んじゃいけないとは思いつつも、
作品の想定する読者レベルに照らしてそれなりにうまく処理してくれよと思ってしまう。
まあナンバランとかこうじまが好きな中高生には丁度いいんだろうなあ・・・。

実家からここ書くときはいつも酔っている気がする。筆が滑る滑る(笑)。
うかつにこんな底の浅い難癖をUPしてはいけないんだろうけどねえ・・・。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)

# by bonniefish | 2004-01-28 02:38 | 小説感想