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2006年 01月 09日

ショタ雑想(1)読者層について

さすがにこれ以上放置はできないだろうという後ろ向きな動機よりも更に数倍後ろ向きな、
課題からの逃避という動機が私をして打鍵せしめているわけですが(苦笑)。


まずは外堀からということで、ショタに集う人とはどのようなものかという点からざっと。

このジャンルが801の一分類として成立したのは、おそらくアニパロからではないのかと
勝手に推測しているのだが、実際はどうなのだろう。詳しいことは全く分からないのだが。
少年を主人公としたアニメ作品などは昔から枚挙に暇が無く、そこで801をしようとすれば
必然的に少年を主人公とせざるを得ないというところから始まったと考えられるのである。

このように考える根拠としては、おそらく初のショタ商業アンソロと思われる「TIP TAP」や
同時期のショタアンソロを見るに明らかにキャラクターの流用と思われる作品が多いこと、
まんだ林檎などが98年にまとめた同人誌「THE SHOTAROH」におけるインタビューでも
ショタにはまった動機としてパロ同人を挙げる者が多かったことなどを挙げることができる。

そしてジャンルとして成立しオリジナル作品が登場しはじめれば、キャラが少年なだけの
801として読まれる可能性も生じるわけで、通常の801読者層の流入が可能となる。
女性向けのショタ作品はパロの流れを引いてか少年同士というものが大半であり、
学園ものと連続的に見ることも可能である点も流入の一因となっていると思われる。

乱暴だが、個人的にはこれで大半の女性ショタ読者の説明はできてしまうと思っている。
(もちろん例外はある筈である・・・後述する小児趣味者は女性にも存在するだろうし)
しかしショタには多くの男性読者(私を含む)が存在しているのであり、その動機は
中々簡単には括れないと思っているのだ(自分のことなので細かく考えているだけとも)。
この点は以前も若干触れたこともある(左のアンケート)のだが、改めて整理してみたい。


まずゲイであって対象年齢のレンジが広いためにショタも読むという読者が想起されるが、
このような人はあまり多くないと思われる。そもそも801自体がゲイ層からは嫌悪の念で
捉えられることが多いものであり、801を読んでいるゲイ自体が多くいると考えにくい以上
そのなかでさらにコアな人の数がそこまで多いとは思われないからである。

おそらく初期から一定量のショタ読者男性を供給している層は、小児趣味者なのだろう。
801におけるエロの過激化の影響を過剰なまでに受け続けて来たショタ漫画は、
まず少年愛者の嗜好をも十二分に満たしうるレベルになっているものと考えられる。
ネットで知る限り少年愛者は即物的でリアルな性描写(体験談等)を好むと仄聞するが、
現在のショタはかつて掲示板等に掲載されていた過激な話に十分匹敵するレベルだし。

そして小児同士の性描写を望む層(便宜的にペドフィリアと呼ぶ)も読者候補と思われる。
近年でも創刊直後のショタアンソロにおいて女の子の登場が見られることは少なくない。
ペドフィリアも一定量存在するように思われるのだが、専門のアンソロなどは見当たらず
ロリ系でも殆んど掲載されないため、作者としてもショタに絡めて書くしかないのだろう。
(読者が移入する対象となる「お兄ちゃん」が作中に要求されるためであろうか?)
ペドの場合登場するのが小児ばかりということであまり鬼畜には向かわないと考えられ、
女性読者も存在するショタではソフトな描写も許容されることも大きいのかも知れない。

またペドの場合、小児同士の性描写であるという点に重きを置く層も存在すると考えられ、
このような層においては少年同士のショタはそも当然にストライクゾーンであるはずだ。
そうではない層にとっては受の性別がネックになるかもしれないが、801同様ショタでも
受と女性の見分けなんぞ付かないことは珍しくないわけで、垣根は高くなど無いのだ。

このように少年が少女の代替物として機能しうる以上、ロリでありながらショタも読むという
読者層が現れてくるのも当然である。幼い者がいたいけな痴態を晒す点は全く同じだし。
エロの激しさや成人指定の無さはここでもまた読者へのインセンティブとなるだろう。
かくて全ての小児趣味のジャンルからショタ読者は誕生していると考えられるのである。


しかし近年のショタの隆盛を支えているのはこうした者達だけではないと思えるのである。
最近の男性向エロゲーにおいてはショタキャラが搭載されている作品が増えてきている。
エロゲーは現実の恋愛・女性に対し恐怖や気後れを抱く層への仮想現実上の救済だが、
にも関わらず、その中でさえも女性キャラに対して距離感や疎外の恐怖を抱いてしまい、
同性であるということ点において理解もしやすく、また現実世界との乖離が最も激しい
(現実の成人女性←→仮想の少年)ショタキャラを愛でる層が存在すると考えられるのだ。

またここまで極端ではなくとも、成人女性からの逃避としての仮想的なロリ層の中には
可愛いキャラクターがショタだろうとロリだろうと余り関係が無いという者も少なくない。
例の「ブリジット」というキャラクターがこの辺りの垣根を大幅に低くしたという過去もあり、
結果として上記2つの流れを持つ仮想ロリ層がショタへと流れ込んできているのである。
(某有名ブログなどを見るに「純愛」を語りつつショタアンソロを総なめしているし。)

こうした結果として近年のショタにはそれなりの数の男性読者がなだれこんできており、
その嗜好や創作される作品自体において男性向けと女性向けとに乖離しつつあり、そして
女性向けショタについては商業ベースにおいては急速に衰退しつつあるように見える。
この辺りについて思う所はあるが、次回に回そうかと。つうか初回から飛ばしすぎだ・・・。

by bonniefish | 2006-01-09 23:02 | 長文雑想


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