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2007年 08月 30日

La Valse

雑誌の感想がようやく周回遅れを解消できそうですね。勉強の方は欠片も進みませんが。


【MAGAZINE BE×BOY 9月号】 ここまで読める作品が少ないと購入意欲が減るなあ。
〇:草間さかえ『花』: 流石に状況設定と受の独りよがりさが突っ走り過ぎだとは思うが,
             例によって微妙で複雑な情動の切り出しや台詞回しはお見事かと。
   国枝彩香『道草』: もうちょっと露悪度を減らして可愛くしてくれたら良いのになあ。
△:唯月一『江崎家へようこそ』: ここまでストーリーという概念がないと却って快いかも。
   鈴木ツタ『この世天国』: この人は自分の萌えの理由を読者に説明する気がないの?
   山田ユギ『一生続けられない仕事』: まあお話にするならこんな描写になるのかと。
▽:北上れん『シグナルレッドベイビー』: 伝統や組織性を描けずに見事に上滑っていて。
   本庄りえ『指先は恋の味』: 我ながらなぜ作品から魅力を全く感じられないか不明。
   小石川あお『恋愛の公式教えます。』,ヤマシタトモコ『nuotatore nel cantero!』,
   真田和史『夢の日々』,桑原祐子『地球発愛を叫べ』,カワイチハル『いぬとねこ。』
スルー:門地かおり『ご主人様と犬』,わたなべあじあ『スウィートドッグフード』,
     御景椿『よりどり恋みどり!』,水野透子『南の国の王子様』,
     藤崎こう『囚われた男』,不破慎理『YEBISUセレブリティーズ』,
     遙々アルク『君は間違っている』,あじみね朔生『この恋は秘密』,
     九州男児『部長の恋』,タカツキノボル『奥さんの妄想的日常』
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by bonniefish | 2007-08-30 23:59 | 漫画感想 | Comments(3)
2007年 08月 28日

タイミングとバランス

偶然が続いたことで得られている信頼感というのは不信感より恐ろしいものですね・・・。


【ルチルvol.19】 作品全般に微妙に独りよがりさがあるような気がするのは気のせい?
◎:三池ろむこ『キラキラ』: 脇の話は別立てで番外編にした方が本編が整理できる気が。
                 展開詰めすぎだし絵も微妙。情動の描き方や台詞は良いが。
   山本小鉄子『あの日のきみを抱きしめたなら』: 勢いで小気味良く読ませられる感が。
   有間しのぶ『青い芝生と甘い水』: このタイミングで過去ネタは話が輻輳し過ぎじゃ?
   秋葉東子『常務の恋~恋の罠~』: 毎度絶妙なボケと黒さで笑わせてくれますなあ。
〇:一之瀬綾子『ゴーゴー僕たち』: 日常描写でキャラの特性を出す時期は過ぎてない?
   平喜多ゆや『The hollowing out』: 心情はリアルで雰囲気も良いが売春はなあ。
△:富士山ひょうた『ディア・グリーン 瞳の追うのは』: モノローグは多いが感情が良い。
   小川安積『イノセントブルー』: 原作と雰囲気が合わないせいか話が安っぽく見えて。
▽:奥田七緒『与える男。』,日高ショーコ『花は咲くか』,九號『うつくしい明日』,
   ほり恵利織『ぼくのおとうさん』,福山ヤタカ『すべては恋によるもの』
×:吹山りこ『薔薇色呼吸』,木々『ラヴ ミー テンダー』,小石川あお『やさしい食卓』,
   古田アキラ『指先から伝わる』
スルー:梅太郎『パパおかえり』,桃月はるか『世界は僕らのために』,
      宏橋昌水『時間ロマンス』,嘉原沙也『いましめと愛の契り』
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by bonniefish | 2007-08-28 23:59 | 漫画感想 | Comments(0)
2007年 08月 23日

刺激的な日々

今いる古巣は一番落ち着く環境でありながら一番作業量もヴァリエーションも多い訳で。
結構ドタバタな感じなのですが,やはり水が合うというのは重要だなとしみじみ思ったり。


【CRAFT Vol.33】 次号も厚そうだが,一体どういう編集方針なのか毎回不思議で・・・。
〇:宮城とおこ『G線上の猫』: 本当にあっさり2人が融合して全て都合よく終わるとはね。
                   関係性の輻輳が醍醐味だったのにこの決着はどうよ?
   ヨネダコウ『どうしても触れたくない』: 受の弱さのみならず攻のルーズさもリアルだ。
   古街キッカ『鉢植えの住人』: この人の独特の浮遊感はファンタジーにも合うのか。
   山本小鉄子『チュチュンがチュン』: 初回の展開は上手いし学生もの向きな人だなと。
△:宝井理人『セブンデイズ』: 原作のニュアンスに忠実であろうとして話が進まないの?
   木下けい子『幾千の夜』: 好みだがベタな設定が俗悪に進まなければ良いが・・・。
   天禅桃子『青空の済んだ色は』: もう少し受攻ともに(!)乙女度が低ければなあ。
▽:藤たまき『王様の病』,真生るいす『満員御礼』,槇えびし『きみにあげる。』
スルー:井上ナヲ『捨て猫の家』,樹要『インターバル』,雁須磨子『猫が箱の中』
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by bonniefish | 2007-08-23 23:59 | 漫画感想 | Comments(0)
2007年 08月 21日

飽和する懶惰さ

『照らしてほしいのはそんな遠くの方じゃなくて・・・』という感じですかね。迷走は続くと。


【Dear+ 8月号】 見にくい表紙だし中身も期待に反し低調気味だしなんだかなあ・・・。
◎:志々藤からり『君にまた恋がくる』: キャラの魅力等に持ち味は出ていて良いんだが
                        いかんせん三兄弟総ホモはやめて欲しかった。
〇:夏名イサク『フリーパンチ』: 面白いんだが常識ある社会人は描けない人なのかな?
   一之瀬綾子『俺式恋愛計画』: このあとの安直な展開が見えてしまう辺りがなんとも。
△:西田東『天使のうた』: 伏線は伏線らしく,シリアスはシリアスに徹してくれれば・・・。
   こいでみえこ『進入禁止の恋』: なんか違和感ある展開だが妙なリアルさも感じて。
   南野ましろ『てのひらに、はなのさく』: 電波でないこういう天然だと悪くないよなあ。
   橘皆無『BOYS LOVE』: そろそろ原作の筋の浅さやあり得なさを拭えなくなったか。
▽:松本花『苺王子』,高橋ゆう『情熱の嵐』,橋本あおい『スーツを脱いだら』,
   高井戸あけみ『月のマダム』,鳥人ヒロミ『彩おとこ』,藤たまき『長い休暇』
スルー:門地かおり『生徒会長に忠告』,真山ジュン『LOVE SEXUAL』,
     花村イチカ『プライマル』,我守丸『涙目のブギー』
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by bonniefish | 2007-08-21 23:59 | 漫画感想 | Comments(0)
2007年 08月 19日

朧気な季節

遊興の記憶のみ反芻するうちに週末は過ぎ,夢は夢のままという感じでしょうかねえ・・・。


【GUSH 8月号】 やはり看板陣をスルーしていると辛い。でも無理しても仕方ないしなあ。
〇:みろくことこ『ご主人様とよくできた執事』: ベタだがまあ笑えるし,予定調和期待で。
   文月あつよ『ハツキス』: この不思議系の受はかなりの当たりキャラでしょう。萌えだ。
△:葛井美鳥『最愛アンビバレント』: トラウマ解消のご都合さはあるが,理由も判るので。
   越智千文『キスと蜜月』: しかしこのシリーズは軽く10年超えて続けてるよなあ・・・。
   タクミユウ『恋に落ちたら』: この年上天然蝶々受にヒゲがあるのが個人的に辛くて。
▽:梶本潤『秘密・コイゴコロ』,はしだ由花里『カブキ』,藤成ゆうき『未確認恋愛感情』
スルー:かんべあきら『I.D.』,トシツキハジメ『千一秒物語』,高永ひなこ『恋する暴君』,
     天城れの『学園刑事 ラブミッション』,吉條ナツル『純粋Miracle!』,
     羽崎やすみ『学園ルンバ』,あすま理彩『奥様は魔女!?』
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by bonniefish | 2007-08-19 23:59 | 漫画感想 | Comments(0)
2007年 08月 17日

区切りとは言えど

まだまだやるべきことが多く残っていて度々出戻る状況では肩の荷も下りませんね・・・・。


【MAGAZINE BE×BOY 8月号】 下手に執筆陣が『豪華』じゃない方が読めるんだが。
                      ていうかこの特集は一体何がしたいのかしらん?
〇:鈴木ツタ『この世 異聞』: 悪くはないけど内容もないというか。編集による改善を乞う。
   阿部あかね『ノーコントロール思春期』: ベタでグダグダだが,青春のノリがリアルで。
   三島一彦『プチ・プリ』: この辺の温度差をきちんと書いてる話って意外とない気が。
△:川唯東子『カフェラテ・ラプソディ』: なんだか話の展開も攻のキャラも尻すぼみで。
   河井英槻『王子と乞食』: 次は12月号ですかそうですか・・・。一体どうなることやら。
   テクノサマタ『ももつめシラップ』: この人は本当に天性のファンタジー描きだなあ。
▽:山田ユギ『一生続けられない仕事』: 下手に華々しくないだけマシなんだろうが・・・。
   立野真琴『ミューズの学園で逢おう』: 高校生で世界レベルって皆本当に好きねえ。
   本庄りえ『指先は恋の味』: テンプレが段々ダメな方に行くし相変わらず止め絵だし。
   いちのせ葵『発情してね』,三島一彦『ラブネコ』,仲郷たけこ『わんにゃん日和』
スルー:不破慎理『YEBISUセレブリティーズ』,門地かおり『ご主人様と犬』,
     こうじま奈月『僕らの王国~アラビアンナイト~』,御景椿『よりどり恋みどり』,
     東野裕『マニアックに愛して』,桟敷ベム『もりのおんがくえん』,
     高永ひなこ『不器用なサイレント~犬さんに逢いに~』,
     わたなべともみ『むちゅうなふたり』,九州男児『部長の恋』
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by bonniefish | 2007-08-17 23:59 | 漫画感想 | Comments(0)
2007年 08月 15日

寂寞の白昼夢

短い夏休みも終わり,8月も半ばを過ぎましたが,チキンレースはまだまだ続く訳でして。
逃避ついでに下の長文記事をちまちまと修正してみたり。少しは読みやすくなったかと。


【小説Dear+ 2007ナツ号】 結局特集の導入とエロ重視の方向は本誌に揃えるのか。
                  すると本誌のリニュは当たりってこと? なんだかなあ・・・。
◎:一穂ミチ『雪よ林檎の香のごとく』: こういう切ない系の青春話は本当に好みだし,
                        ここまで言動を濃やかに綴られてはもう悶絶。
   玉木ゆら『ご近所さんと僕』: 設定の強引さやあざとさは気になるが,山場の迫力や
                   何よりエロシーンでの艶かしい情動の描き方がお見事。
   月本てらこ『性旬トロンプルヰユ』: やはりぐるぐる感のあるノリもエロも絵もツボで。
〇:うえだ真由『リトル・センチメンタリスト』: 上手いんだがただそれだけとの感が否めず。
                           セフレになるのも止めるのも唐突過ぎでは?
△:月村奎『ビター・スイート・レシピ』: これまたオーソドックスなシンデレラ話ですなあ。
                        若干冷ややかに見てしまうのは年齢の所為か。
   窪スミコ『solomon's』: ベタな動物ものねとしか。読者ページと絡めるのは流行り?
▽:久我有加『不実な男』: なんか理屈っぽく読んでいて萎える。火崎勇化してないか?
スルー:五百香ノエル『PRIDE』(後編と纏めて読む予定),ひちわゆか『Fancy』
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by bonniefish | 2007-08-15 23:59 | 小説感想 | Comments(0)
2007年 08月 10日

『黄金の太陽に悶えて』

つらつらと書き連ねてきましたが,折角の機会ですので,私自身の趣味のあり方と,
それが私の801業界への評価にどう影響しているかについて若干補足しようかと。


何度か述べていますとおり,私は青少年に対する憧憬のようなものを強く有しています。
この情動は過去への郷愁めいたものを含んではいますが,私自身がその年代だった際
憧憬の対象となっているような思考,感情,言動を取っていたわけではありませんので,
ある種の屈折を含みますし,それゆえに現実にはなかなか認め難い情動でもあります。
特に,私が801を読みはじめた頃は,まさに私自身彼らと同年代であったわけでして,
理性的にも性格的にもそのような行動が取れない身としては,意地ややっかみもあり,
また彼らの負の側面をも間近で見ていたので,それに素直に憧れることは困難でした。

当時の801は,恋愛感情は勿論としてキャラクターの感情を主眼に描いていましたし,
作家や読者が801を媒体に選んでいた動機は,「青年/少年に対する抽象的な憧れ」
とも言い得るような,割と形而上的な希求を含む情動であったと私には思えるのです。
当然の話ですが,女性は青年や少年になることはできないわけで,手が届かないが故に
彼らに憧れを抱くのは当然とも言えますし,ましてや男性同士の恋愛感情ともなれば
完全に女性には手が届かないものですから,憧れの度合もより強いものになり得ますし,
その距離の遠さゆえに却って男性への理想等が盛り込みやすくなっていたわけです。

当時の801が有していた,上記のような「彼岸にある理想的な美への希求と憧憬」は
まさしく私の中にあった情動と重なりうるもので,大変共感することができましたし,
加えてそのような情動をフィクションである801作品を読む中で昇華させることは,
現実世界における自らのプライド等を傷つけ難いことにもなりますから,結果として
私はほぼ必然的に801にどっぷりとはまり込むこととなり,現在にまで至るわけです。
(ちなみに現在は,私自身が齢を重ね彼らとは異なる世代に属し,自らに余裕もでき,
彼らとの利害関係もないことから,現実でも肯定的に捉えるようになっていますが。)

しかしその後の801においては,作中の男性への理想の盛り込み方が変容しはじめ,
より卑近というか即物的な理想(肉体的特徴,経済力,知力など)が中心となりました。
併せて「男性同士の恋愛」と言う面より「女性が関与していない」という面が注目され
読み手である女性の恋愛への興味を満たしつつも,同性キャラと自らを引き比べるという
自意識との抵触を避けることができるジャンルとして広く支持されるようになりました。
この現象は止むを得ないものと分かっていますが,私としては批判的に捉えていますし,
何よりもこれにより旧来の801が傍流に追いやられてしまったことが誠に残念でして。
商業誌のみを読んでいる身が批判すべきではないことも重々承知はしていますが・・・。


以前に書いた記事とは別の角度から801業界の変遷へのコメントを加えてみましたが,
いかんせん私が一部の商業誌しか読んでいないゆえに個人的回顧の域を出ませんねえ。
まあ誰も歴史の全てなど語るべくも無く,このような断片の集積こそが歴史をなすのだと
嘯くくらいしか慰めはありませんが・・・。誰かきちんとまとめてくれないか知らん。
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by bonniefish | 2007-08-10 03:32 | 長文雑想 | Comments(0)
2007年 08月 09日

『曖昧にして不埒な願い』

前回の記事は現在の心境を表してどうも回りくどいですが,言いたいことをまとめると,
「この作品世界でこのような登場人物がこのような言動を見せることに至極納得が行く」
という観点での「リアルさ」を称揚していることと(特に恋愛感情を巡る情動について),
「そもそも作品世界そのものについて自分が許容できるか否か」という観点において,
合理性や客観性を過度に欠いた「ご都合主義」を糾弾していることの2点になるのかと。
もっともいずれの観点とも私の判断にかかるものですので,個人的な嗜好や人格による
バイアスから逃れられていないとは思います(自分なりに修正はしているつもりですが)。


さて,今日の本題である「作家の趣味」の話に移ります。なるべく手短に行きましょう。
作家として作品を形成する場合,それは第三者に何かを伝えようとしている訳ですから,
相手にそのメッセージを伝えるためにどのような手法をとるのかが肝要となるはずです。
これは作品世界やキャラの設定から,話の展開,描写方法等各点に及ぶと思いますが,
今回の問題意識は作品の「設定」に関するものですから,話をこの点に絞りましょう。

人が作品を作ろうと考える場合,その表現欲の原動力またはコアとなるメッセージは,
作者自身が積極的な価値を与えているものである場合が多いのではないでしょうか。
自分が好きなものを誰かに伝えたい,というのは自然な感情の一つだと思いますので。
ただ,伝達を志す以上は,設定においても一般に理解が得られやすいものとした方が
良いということになりますし,仮に一般的でない設定を伝えたいと思うのであれば,
理解が得られ易い要素を取り入れたり説明を分かり易くすることが望ましいでしょう。

創作意欲というのは作品の魅力を向上させるための最も重要な要素でしょうから,
自分の趣味を作品に出すこと自体は全く謗られるべきものではないと思うのですが,
作品として世に問う以上は読み手にも伝わりやすくして欲しいなあとも思うわけでして。
あまりに趣味にだけ走られてしまうと「作者だけが楽しい作品」になってしまいますので。
一般受けする趣味ではないことはオリジナリティを獲得しやすいことにも繋がりますから
その趣味を作品としての魅力に繋げることができればより良い作品になると思いますし。
まあ作者の趣味が暴走して理解し難い,あるいは説明が足りない作品になったとしても,
万人受けだけを考えたテンプレ塗れのベタ作品よりはマシなのかも知れませんが・・・。

また,先に述べたとおり,作者が「同じ趣味」の作品ばかりを発表してしまうこと自体は,
不可避なことも否定できないでしょう(もちろんそうでないことが好ましいと思いますが)。
それでも,趣味それ自体やその描写が魅力的なら作品の価値は損なわれ難いでしょうし,
作品のその他の要素において独自性を加えたり表現手法を工夫したりされていれば,
特段批判されることには繋がり難いでしょう。逆に言えば,ただ萌えを垂れ流すような
作品ばかり書いてしまえば,趣味に走りすぎとの批判は自ずと免れ得ないでしょうし。

結局,作者が自らの趣味を作品に投影することは創作意欲の点等から自然なことで,
創作のモチベーションや作品の質の向上に資する点に鑑みても謗るべきではないが,
趣味に甘えたり没頭したりして話やキャラの設定を疎かにすべきでもないということかと。
換言すれば,作者が持っている趣味を作品上でどのように昇華させているかによって,
「個性」として称揚されるか「独りよがり」として謗られるかが決まるのではないでしょうか。


今回のコメントが取り上げている点は,私と作家側の双方の主観に関わるものですので
異論や違和感を感じる方も多いでしょうし,そもそもどこまで理解が得られるか疑問です。
まあ何気なく「好き/きらい」だけで済ませがちな点についてちょっと考えてみることは
大変に面白いことだと思いますので,本記事がきっかけにでもなってくれれば幸甚です。
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by bonniefish | 2007-08-09 23:59 | 長文雑想 | Comments(0)
2007年 08月 06日

『蒼空の憂いを描いて』

先日,私の記事について,普段ろくに考えないまま書き流している点を的確に指摘する
コメントを頂戴したのですが,返信がまとまらないうちに日が過ぎてしまいましたので,
ここで記事として取り上げてお返事してみようかと思います。まずはコメントを再掲。


いつもたのしく感想文読んでます。ところで読むたび思っていたんですが、管理人さんがよく「リアル」で。とかかれますが、その意味がよくわかりません。管理人さんがおっしゃる【リアル】とは、何に対してのリアリティを指しているのですか?

あと、今回の感想をみてて思ったのですが、そういわれるとBL作家さんって自分の趣味の話しか書きませんよね。真行寺さんは書かれる年齢層が最近高めなのでわかりやすく目立ちますが、他の作家さんも毎回似たようなキャラクターで話で、でもそれって管理人さんが指摘されるまで気がつきませんでした。趣味の設定とか話って、作家の個性とは違うものなのでしょうか?みろくことこさんの単行本などを読むと、短編集なのにみんな同じ話に見えるし、深瀬紅音さんのかかれるキャラクターも話もいつも同じな気もします。

まず,私の「リアル」という語の使い方ですが,あくまでも個人的なニュアンスとして,
作中で描かれているキャラクターの感情の動きやセリフ回し,行動などについて,
それが現実にありうる,あるいは自分として共感・納得できるなあ,と思った際に,
褒め言葉として「リアル」という語を使っていることが多いと自分では分析しています。
特に,相手に対する感情が高まる様や,感情の直接・間接的な発露が描かれる場合に,
その直接的な描き方が上手であることを指して評価していることが多いと思いますが,
あえて直接的に描かずに読み手側の想像の余地を上手く残して描いている場合にも,
同様に「リアル」だと褒めていると思います。この辺は特に主観性が強いと思いますが。

いくつか補足しますと,「お話」についての,しかもとりわけファンタジー色の濃い
「801」について評価する中で使っている評価軸ですので,ノンフィクション的な
リアリティーや,現実の苦さを求めている(称揚している)のではないと考えています。
物語である事を踏まえつつも,自分がその作品に移入してキャラクターに共感できる,
別の側面から言えば,フィクションゆえにデフォルメされている諸要素について,
逆に現実側に向けてデフォルメし直しても(現実としての)違和感が少ないと感じる,
そのようなシーンなり描写なりキャラなりが存在する作品を称揚している感じです。

この場合,「リアル」と感じているのはあくまで私に過ぎませんので,この評価軸も,
「私の中の感情」の在り方によってその指標が変わり得るものであることは必然です。
ただし,直接自分が作中の当該状況下において当該感情を抱くか,という観点ではなく,
自分とは異なる感情であってもさもありなんと感じられるものかどうかを考えていますし,
その感じ方についても,ある程度汎用性を持つものにはしようとしているつもりです。
それでも,好きなシチュエーション(学園もの等)であれば,好みが評価を甘くさせて
(あるいは私の妄想を排除できず)リアリティを認めやすくなっているとは思いますし,
強姦や支配関係等好みでない話についてはそもそもこの評価をしていない気もします。

また,リアリティに関連しては,いわゆる「ご都合主義」についても触れておくべきかと。
先ほどの評価軸は「お話」の中でどこまでリアルさを出すかという点での話でしたが,
そもそも「お話」として考えても余りの現実味の無さに嘆息する作品も少なくありません。
余りに現実味が無い,或いは独りよがりの妄想的な展開で,話の体をなしていない場合,
私としてはその世界観の狭さに辟易せざるを得ずに「ご都合」との批判を加える訳です。
もちろんこの「リアリティ」に関しては,フィクションであるという大前提の下ですから
最低限のもので足りるのは言うまでもありませんし,作者と私との世界観の相違は勿論,
作者の理解・取材不足による誤解や偏見がもたらす「違和感」とも異なると考えています。

この辺りの問題意識については桑田乃梨子氏が漫画作品の中でネタにしていますので
そちらを見てもらえばもっと分かりやすいと思うのですが,手近に無く引用できません。
要は「漫画/小説としてもこの無茶/いい加減さはどうよ?」ということなのですが・・・。
そして,この点の評価においても個人的な嗜好によるバイアスは否定できないでしょう。
ちなみに,話がハッピーエンドであることと過度のご都合主義が跋扈することの間には,
何の論理的関係もないと思っています。もっともハッピーエンドを導くための話の展開は
得てして強引になりやすいとは思いますがね。奇矯な設定の話が多い昨今では特に。


何か無駄にくだくだしくなってしまったので,「作家の趣味」の話は次回ということで。
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by bonniefish | 2007-08-06 23:59 | 長文雑想 | Comments(0)