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2004年 12月 29日

貶すは易く褒むるは難し

本サイト設立以来のカウンタの回り具合に驚愕しております。ありがたいことです。
斯くも怠惰な更新にも関わらず数多訪なって頂く方も居られ慙愧に耐えませんが。


李丘那岐『演じる恋、本気のキス』はオーソドックスだがベタな印象が強い作品。
突然暴漢に襲われ幼馴染に助けられる、本人の知らない所で身柄を絡め取られる、
実は相手が自分の業界の関係者である等の個々の要素だけならさほどくどく無いが
あまりにまとめて詰め込まれるとなんだかなあという脱力感も湧いてきてしまう感じ。
特に当て馬も含めた攻の暗部が唐突だし描かれ方も浅いので、重要な要素なのに
リアリティがまるでないし、キャラの設定に深みを与えるどころか逆効果になっている。

何より致命的なのは、主人公の受の演技力や劇団での芝居の描写の薄さなのだが。
少なくとも準主役に抜擢されるという設定なら一人称だけで描くのでは描写として弱く、
感覚に留まらない第三者的な描写が無いと、単なるのナル野郎とも読まれかねない。
ただでさえ上述の通りご都合感が強い作品なので尚更ありえなさ感が募ってしまった。
ビギナーが手に取る分には破綻も無くお約束もちりばめられたハッピーエンドなので
それなりに楽しみ得るもしれないが、自分は完全に流し読みモードに入ってしまった。


のもまりの『リスキー・カサブランカ』は微妙だが一味違う持ち味がうまく出ているかと。
正直冒頭から続く主人公の自意識過剰で説明過多のモノローグにはかなり辟易したし、
すぐ続く相手との出会いでもいきなりキスされて恋人の振りというベタっぷりなので、
その後に続くHシーンなども、辟易して通例のごとく斜め読みで済ませるはずだった。
ところがどうも様子が違い、やんちゃ系の受だと思っていた主人公が攻役で結構驚く。
むしろ典型的な攻キャラ(長身で均整が取れた美形で頭が切れる男)が受に甘んじて
しかしながら攻のへたれっぷりを弄んでもいる辺りがバランスとして非常に面白いし、
意外とこうしたキャラは実際は欲望が少なかったり受動的だったりすることも考えると、
結構予想外にリアリティがあるようにも思え、なかなか思い切った好設定かと思うのだ。

ただやはりガイノベルスなので恋愛と直接関係の無いストーカーの話や裏業界の話が
混じりこんできていて、しかも本作ではこの部分と恋愛譚が有効に絡められていない。
確かにカップリングからして型破りだし、事件の部分も興味を惹くことは惹くので、
結局最後まで読み進めることにはなるが、何か展開に落ち着きが無い印象を受けた。
ストーカーの壊れ方も妙に上滑りというか、キャラから狂気だけが遊離している感じで
一人の有機的な人間として捉えられず、単に凄いご都合キャラとの印象しかなかった。

主人公を追い詰めて話を盛り上げたり、救出劇を描いてカタルシスと慕情の高まりを
描きたいのは分かるが、作者自身が変な茶々を入れたり余計なキャラを絡めたりして
その効果を減殺しているのもどうかと。まあそれでも土壇場のシーンで受がのたまう
「俺の男だ」との発言の絶妙さは特筆せざるを得ないだろうが。受の今までの振舞いや
攻との関係からすれば不意打ちだし、そもそもかなり場違いな発言なのだが、
そのことが却って受の意外なお間抜けぶりや2人が実は気が合うということなどを
読者にうまく伝えることが出来ていると思うのだ。正直呼んでいてはっとしたし。

この他にもキャラ設定や筋の進め方などで、既存の801の枠から良い感じにずれた
新鮮さを含んでいて、なかなか興味深かったし楽しんで読んだことは否定できない。
まあ粗も多いし余計な要素もあって散漫な印象を与える作品であることも確かだが。
ある程度801を読んだ人ほど面白く読めるような気がする。妙にバタ臭いけど(笑)。
編集が作品全体としてのバランスを考えてくれれば結構読める作品になったろうに。


あと7冊ありますが、疲労から来る睡魔には勝てませんで今夜のところはご勘弁を。
愛機を帰省先に持ち込み、可能な限り感想の上梓を目指します・・・。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-12-29 03:06 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 12月 28日

3000HIT御礼なのですが

ようやく束の間の休息に入りましたが、いつものことながら全く心身が落ち着きません。
やりたいこととやるべきことの氾濫に、掌から漏れる時間をただ眺めるのみでして。

斯様な状況にも関わらず、題記のようなご愛顧を賜ったことは感謝の一語につきます。
読了した小説が8冊溜まっており、帰省前に何とかしなければならないのですが・・・。
取りあえず雑誌感想のみで。年を越させないためになんとか明日の更新を目指します。


【MAGAZINE BE-BOY 1月号】 毎号期待することに疲れて来ていますねえ・・・。
■志野夏穂『倉科先生の受難』:△ ノリは好みに近いが、キャラが無駄に多すぎかと。
■水上シン『前世と現世と君と俺』:スルー 終わってくれたらしいので一安心。
■山葵マグロ『愛と青春のパノスト物語』:▽ タイトルやネタの脳内さはどうよ?
■寿たらこ『SEX PISTOLS』:スルー これはまだ終わらないのね・・・。
■九州男児『課長の恋』:スルー なぜか増ページでなかなか飛ばせず苛立ちが倍増。
■梅太郎『十六枚の告白』:△ 話の展開は良悪くないが攻の年齢不祥な不気味さが。
■ユキムラ『天然+極楽魔法使い』:スルー 前作を思い出せず飛ばしてしまったので。
■こうじま奈月『僕らの王国』:▽ ネタがベタなのはともかく、あり得ないコマが多くて。
■本庄りえ『何処にも帰らない』:△ 番外編として仕立てたために妙なダメさが出て。
■蓮川愛『恋愛操作』:▽ 古臭い絵とバタ臭さに加え眼のボケた描き方が許容できず。
■北上れん『リフレインスマイル』:〇 絵や展開は微妙だが今号の中では読めたかと。
■川唯東子『O/D』:△ 攻や周囲の女性の描き方のステロさがやや鼻につくか。
■草間さかえ『白昼白夜』:〇 非常に良い雰囲気。ただ味とはいえ描写の微妙さが。
■松本テマリ『指導室にて』:▽ こんなベタなだけの作品書いて許される作家とはいえ。
■浦コハク『愛犬ゲンキ』:スルー シュールの方向性を間違えていると思うのだが・・・。


【Dear+ 1月号】 祝セバスチャン復活!! 全般には少し低調な気もしますが。
■志水ゆき『是―ZE―』:▽ 部分的には萌えうるが、キャラが多いし展開も唐突で。
■南野ましろ『チビッコギャング オールスタアズ』:スルー もう付いていけません。
■夏目イサク『ドリーバック』:〇 まあきっちりHさせた方が纏まりが良い気がしますが。
■池田乾『戦う! セバスチャン』:◎ やはりこれが無いと。展開が強引ですがご愛嬌。
■こいでみえこ『唇に甘い毒』:× 頬が広い能面って引きませんかねえ。妙なキモさが。
■松本花『がっこうのせんせい』:△ もう少し心情を描いて欲しい。でもWings行ったら?
■藤たまき『出雲』:〇 攻を能天気にしても作品は明るくならずに浮くだけなんだが・・・。
■月本てらこ『惑性.'s』:△ まとめて読むと悪くないのかもという気もしてきたが。
■門地かおり『生徒会長に忠告』:スルー 付いていく気もなくなっているのでねえ。
■依田沙江美『ブリリアント☆BLUE』:× 書きたいことが全く分からないんですけど。
■たかなぎ優名『愛しきメテオライト』:▽ 微妙な関係を描くには画力も描写力も不足か。
■えみこ山『7年目の彼氏』:▽ 悪くない話だが処理が脳内すぎ。ファンには良いのか?
■やまかみ梨由『太陽のロマンス』:× 結局奇跡で終わらせるとは浅薄の極みとしか。
■ひむか透留『いじっぱりの法則』:〇 既成の枠に嵌まりすぎだが、受は中々かと。
■夏葉ヤシ『ONE COIN KISS もう一回!』:〇 非常に好みだが当て馬のベタさが。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-12-28 01:09 | 漫画感想 | Comments(0)
2004年 12月 21日

近からむ者は目にも見よ

週末の行動と相俟って頭の中がほぼ完全に冬休みモードです。また授業があるのに・・・。


義月粧子『愛しているなら離れるな』を読み、余りの酷さに憤りを抑えることが出来ず。
この人が物凄い狭量な価値観で作品を仕立てるのは知っているし辟易もしていたが、
それでも文章力はある方だし、たまには悪くないものも書いていることは事実なので、
裏表紙の粗筋を見た時点では割と読める作品なのではないかとも思っていたのだ。
冒頭からの唐突な展開についても、初めは割と吸引力があるようにも思えたし。

しかし読むにつれ妙な違和感が強くなる。殆んど心理描写が無く、細切れの会話や
ぶつ切りのシーンのみで話が進み、2人の関係の進展が碌に描かれないのだから。
相変わらずなエリート像や攻の造型のステロさが悪化しているのも鼻につきだすし。
しかも突然に攻が自らの衝動に気付いてHに突入。受け入れる受もどうかと思うが。
相変わらずこの作家は行きずりのHを格好いいと思い込んでいるのだなあとげんなり。
攻の一人称で「自らの太いものを掴んだ」なんて書けるセンスにも脱帽するばかりで。
この人の描く理想のキャラは私の評価軸とねじれの位置にあるのでストレスが溜まる。

しかしことはこんなレベルに留まらない。というかこの程度の作品はまだ他にもあるし。
本作の白眉(?)はこの後で、相変わらずキャラの心情等の描写が殆んどないくせに
いきなり攻があり得ないくらい底の浅い勘違いをして2人が別れてしまうのだから唖然。
ろくに互いの感情の深まりもなく恋愛関係に入らせておきながら、すれ違いも描かずに
ただ攻が単なる噂を聞き、偶然一回受が男と親しげにしているのを目撃をしただけで
別れるんですか。なんなのその適当さは? やる気ある? ていうか何考えて書いてる?
その別れ方もいきなり心無い言葉を浴びせ倒すなど冷血漢というかパラノイア的だし。

これだけでも作りこみのいい加減さに眩暈がするのに、その後攻がまた人から一つ
噂を聞いただけであっさり改心するんだからたまらない。脳みそあるのかこの攻には?
そしてあろうことかまた受に惚れ直して謝りに行く始末。厚顔無恥だとは思わんのか?
何なのその薄っぺらさは。描写っていう概念知ってる? ていうかギャグのつもり?
そしてそれを受があっさり受け入れるのは信じがたいが予想通りで笑ってしまった。
結局またその場でHしてハッピーエンドですか。作者もキャラも猿並みですな全く。

さらに次の話ではいきなり10ページそこらの展開でまた別れるというウルトラCが。
つうか本当に人間を主人公に据えて書いてるのか? どういう人間観持ってるんだ?
1億光年くらい譲って、これくらいあっさりと別れるカップルが仮にいるとしてもだ、
そんなに何度もくっついたり離れたりするのは無茶すぎるだろう。あり得なさすぎ。
少なくとも恋愛関係を描く話の主人公に据えるという神経は全く持って理解し難い。

さらにまた数年経った後には知人の一言であっさりと復縁するんだからあなたもう。
ここくらいは多少の描写があるかと期待した自らの愚かさはただ恥じるばかりだが、
正直なところまともな作者ならこれくらいは書いてくれるだろうという経験則な訳で。
こちらの思惑など瞬殺して突っ走ってくれる作者にもキャラにもお手上げというしか。
地球外生物ですよ。もしくは気違いじみた我儘さか視野狭窄。お里が知れますな。

あと攻が自らのエリート性について自慢げに語る辺りの説得力の無さ等も天下一品。
こんなキャラが魅力的と思っているだろう作者は全く笑うしかないというか何と言うか。
さらにはオックスフォードの数学教授とやらのコメントのトンデモ振りも特筆すべきで。
家庭を優先して研究に没頭しない数学者が増えたことは数学界にとって損失であり、
ゲイであることは家庭を持つ可能性が低いので学者にとってはプラスである、だと。
いやあ下らない展開を垂れ流す中にいきなり「先進国の社会の現状は・・・」などと
書かれていること自体の滑稽さや、そのことへの作者の無自覚さが大爆笑ものだが
続いて出て来るのがこれだからもう本当にたまらない。どういう性格の作者なんだ?

あと受の両親の設定と描写のうそ寒さにも引きまくり。ともに人権派弁護士だそうで
息子のゲイネスにも寛容だそうですよ。いきなり同衾している所を見せられたのに
その男がのうのうと挨拶に来てもにこやかに出迎え歓迎し、あろうことかさらに曰く、
「弁護士たる我々の一番の使命は人権擁護と差別の廃止です」だから凄いよ本当に。
受は「偉大な自分の両親に感謝した」? ちゃんちゃらおかしい。本当に正気なのか?

事実だけめまぐるしく展開させる中でキャラに筋の通らない傍若無人な行動を取らせ、
作者の考えるクールな要素を盛り込んだら、あとはただエロでごまかしているだけ。
読者の中にはこういった展開の速さにごまかされる人も少なくないのかもしれないが、
本当に芝居の書割というかそれ以下。書き飛ばしてることがここまで露骨なのも凄い。
あまりの厚顔無恥さと臆面の無さに始めは驚き、怒り、呆れ、最後は笑うしかなかった。
読者を嘗めてるのか? こんな酷い文章の羅列などとても小説と呼べるものではない。

最近801にも剛しいらや遠野春日のような書き飛ばし系作家が増えているのは確かだ。
剛しいらはぶっ飛んだ設定に走り、遠野春日はテンプレとおざなりな描写に堕している。
義月粧子はプロット先行というか描写の薄さと粗雑さに濫作の弊害が出るタイプだが、
何せ作者が自分の頭の良さを鼻にかけているのが見え見えだから不快感が倍増する。
読者を見下したり自己を過度に肯定している文章を垂れ流す時点で噴飯ものなのに、
その癖キャラや話に何の脈絡も無く電波な展開や行動を繰り返すんだから笑止千万。

自らの見識の浅さや歪み、作品の底がここまで露呈しているのに気付かない作者が
何をしても失笑と嘲弄をもってしか迎えられるべくも無いだろうに、無知とは素晴らしい。
読者を騙せていると考えているなら浅慮だし作品の粗悪さに気付いていないなら愚昧だ。
普通ここまで酷い話は恥ずかしくて公開できないと思うのだが、どういう自意識なのやら。


しかし801小説を読んでいてここまで不快感を募らされたのは久しぶりだったかと。
本当に憤懣と嫌悪感から何度読むのを中断したことか。少なくとも私的本年ワースト作。
単なる筆力の無さとか設定の酷さならもっと酷いものはあるが総合判定ならぶっちぎり。
ここに感想を書く気がなければ絶対に引き裂いて駅のゴミ箱に叩き捨てていたかと。
(知人の中には酷い本なら破り捨てて画像をアップしろという強硬意見もあるのだが
幼い頃から図書館を利用してきた私には本を粗雑に扱うことが出来ないため無理で。
まあ品が無いし作者以外の関係者に失礼になるので今のところ実行する気はないが。)

個人的には皆様にも是非立ち読みでの通読をお勧めしたいのだが、いかがだろうか。
このやりどころの無い怒りを分かち合っていただければ(笑)ありがたいし、ある意味
最近の801業界の悪しき方向性の一つの極値としての資料的価値はあると思うので。


せっかく渡海奈穂の小説を読み良い気分だったのに、本作でぶち壊しになってしまい
あまりの負の情動に本来予定していなかった更新をする羽目となってしまいました。
他の小説やコミック類については冬休み早々には片付けてしまいたいなあと思います。
ベストもいい加減手をつけないとなあ。でもレポートもあるしどうなるかしらん・・・。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-12-21 02:06 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 12月 17日

それでも朝は来る

どうやら抱えているのがただの風邪ではなさそうな予感がして空恐ろしくもありますが。
読むペースを上げてはいるのですが感想を書く余裕が無く、本が積み上がるばかりで。


穂宮みのり『純銀細工の海』は、申し訳ないが作りの浅さに全く趣味が合わず始球式。
冒頭の土下座に対する評価の時点で斜め読みになったが、説明的な展開の後に
いきなり飛び込み営業をかけようと決意した時点でありえなさに硬直。一旦中断。
値段分の元を取るため感想くらい書こうと思い再開するも、突然の英会話にまた硬直。
攻が知的なことを示したいのはわからなくもないが、高2レベルの英文なのはどうよ?
なんとか読み続けたものの、展開の強引さや設定の粗密のアンバランスさが目に付き
語られるデザイン関係のネタも素人ながらどうにも首肯できず飛ばし読むのみだった。

商業作品としての最低限のクオリティはあると思うのだが、作者が背伸びをしたところ、
先述の英文やデザイン、さらには高級な食事シーンやビジネスの話などが全て浅く、
少なくとも門外漢の読者も騙せないレベル(ちゃちとしか言いようが無い)のはどうかと。
あとは訳のわからない比喩とか。攻の口から出ると気持ち悪いだけで済ませうるが、
受が言うと明らかにキャラと整合してないし。そもそもこんな比喩を使う理由が不明。
格好をつけたいのは分かるが、もっと調べこんだり練りこんだりしないと全く逆効果で
お里が知れるだけというのは分からないものなのだろうか。編集が指摘すべきなのに。
正直キャラ文庫への信頼は最近急に下がってきてしまっていてねえ・・・。


小林典雅『棒投げ橋で待ってて』は予想はしていたが膝から力が抜けるようなギャグ。
「超おぼっちゃま」という設定時点でかなり閾値は下がっていたはずだったが、
周囲のキャラまで見事に壊れまくっているので、ありえなさ感が振り切れてしまい、
却って最後まで読み流してしまったというか。これは新しい効用かもしれない(笑)。
それにしても受の敬語攻撃(しかもときどき間違いあり(笑))にも参ったものだが、
受の家族が出てきた後については開いた口がふさがらないというか何と言うか。
ギャグなのは分かるけど、そんな少年ジャンプ並の破天荒さにしなくとも良いだろう。

というか肝心の801方面にほとんど力が割かれていないようにも読めるのだが?
少なくとも攻がゲイであるという設定に対して全く何も補強がないのは致命的だろう。
エロが無駄に長くなかった点だけは近年のこうした作品群の中ではマシかと思うが。
外れ覚悟で買ったものとはいえ、PNの付け方には注意を払うべきだったかと反省。
前の本も含めやはり手を広げてもろくなことにはならないなあ・・・。


そういえば友人が偶然801CDの情報を目にしたら設定が余りに吹っ飛んでいたらしく、
一体おまえの業界(苦笑)はどうなっているのか、と聞かれてしまったのですが
ある意味これはキャラ・設定の作りこみや文章力における作者の筆力の無さを糊塗し
読者の審査眼を狂わせる一面もあるのではないか、と今さらながら気がつかされたり。
もちろん主因は作者が正当な方法でパターナリズムから脱することが出来ないためで、
また「読んだことのない」本を求める読者が新奇さを斯様な方向に求めるためなのだが。

確かに類作の無い作品を書きたい・読みたいという気持は自然だろうし私も持っている。
しかしそれが奇矯なキャラや設定、破天荒な話を志向する点には全く納得がいかない。
「神は細部に宿る」ともいうように、作りこみの仕方は無限にあり、作者の色や持ち味も
こうした練り上げの中で最も開花しクオリティを高めていくものだと思うのだが。
まあ編集や読者に大まかな設定を見ただけで「○○と似ている」などとみなす向きが
少なくない(少なくともそのようなリスクを否定できない)ことは確かなのでねえ・・・。


やはり小説3冊と漫画2冊は次回まわしということで失礼をば。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-12-17 08:49 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 12月 13日

露見する馬脚

ファミ通文庫の帯見返しに『B’sLOG』の宣伝を見つけ隔世の感を覚える今日この頃。

一応じみじみと消化はしているのですがお決まりの無気力モードに突入しておりまして
小説の感想は次回しになるかと。なにせレポートにもろくに手がついていないもので。
今週も週末が使えないので読んだ分くらいは感想を上げておきたいのですが能わず。


【小説リンクス 12月号】 鷺沼やすな女史目的で購入。悪くないが看板作が合わない。
◆可南さらさ『no reason』:〇 ありふれた学園ものですがある意味最近貴重ですし。
◆きたざわ尋子『真夜中の部屋で』:▽ 前作未読だし展開もパターンに嵌まっていて。
◆栗城偲『コバルト』:〇 一般小説的テイストも悪くないが肝心の少年の扱いが浅いか。
◆和泉桂『揺れる吐息に誘われて』:▽ いきなりHしているのに裏まであるなんてねえ。
◆鷺沼やすな『心の鍵貸します』:〇 麻薬的な文章の虜ですがネタのアクが強いかと。
◆冴島久美『指先の魔法』:▽ あっさり読み流せたし良いが、設定もキャラも浅いなあ。
◆水壬楓子『コルセーア』:スルー ネタもキャラ名もお腹一杯で。
◆大鳥香弥『あなたが作る幸せ』:△ やや突飛な点もあるが。新人らしいし押さえるか?
◆ゆのはら棗子『ぼくは魔法使い』:スルー 「魔獣リンクス」ってどんなセンス? 正気か?
◆佐々木久美子『月暈 ~風冴ゆる~』:▽ 肝心のエロへの展開がお粗末ではなあ。
◆香坂透『お金がないっ』:× 余りのアホらしさに最後まで読んでしまった自分に鬱。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-12-13 02:27 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 12月 08日

頽落

ついにツケを支払わされまして、分相応に玉砕と相成りました次第であります。
「狼少年」と言われ慰めも得られないのは自業自得ですが、やや釈然としない向きも。

そうこうしているうちに801も10冊、その他を入れれば40冊以上のストックに。
取り急ぎ読み感想を上げますが、冬休みも忙しく、消化できるのはいつになるやら・・・。


【好色少年のススメ 7】 一番無難なアンソロだが、ある意味一番たちが悪いのかも。
■虎向ひゅうら『animal life #final』:〇 正統派ライトギャグ系エロですから。
■機械田零士朗『リップテイル』:〇 妙に萌えるんだがファナティックだよなあ。
■鷹勢優『なまいきエプロン』:▽ 実はものすごく病的な気も。遠慮が無いからか?
■ジェームスほたて『Teach me it』:△ 今回はネタ切れ的だし萌えも少ないかと。
■RT.『ナマイキなあいつ』:▽ 脳内すぎてクラクラ。独特のエロさはあるが。
■諸田鎮孝『そんな休日の昼下がり』:× 量産で絵もネタも磨り減っているのでは?
■上連雀三平『ANAL×ANAL』:▽ この人も病的。絵は性器以外妙に改善されたが。
■ほしのふうた『プールの仲』:▽ こんなに女性を漁色的に描かなくても良いのでは?
■きりがくれたかや『空はどんなに高くとも』:▽ 妙に救いが無い話が最近多いが?
■中ノ尾恵『貢くんのショ体験(笑)』:〇 微妙だし古いが今回はうまく嵌まった感じで。
■T.K―1『セクハラ先生さん』:× 絵も設定も話も微妙に好みとずれているので。
■有頂天『あまえてもいいよ』:△ エロいんだが妙に説明過多だし叫びすぎというか。


【GUSH 1月号】 好きな漫画の単行本化を待ったほうがいいような気もするが・・・。
■越智千文『breath』:▽ なんだかなあという展開。あとみんな顔が六角形・・・。
■葛井美鳥『熱愛コンプレックス』:▽ こんなマイペースな攻も泣き虫な受も嫌・・・。
■タカハシマコ『ドーナツ通信』:◎ こういう切ないなりにお馬鹿なのもツボだなあ。
■千歳ぴよこ『恋する君へのプレゼント』:▽ あり得ない話でもエロで人気なのか?
■はしだ由花里『カブキ』:スルー なんだか話についていけなかった。
■星野リリイ『都立魔法学園』:スルー 本当に人気あるよなあ・・・。
■羽原ちより『Ⅰ WISH…』:△ 絵も展開も微妙だがラストのエロとオチに免じて。
■かんべあきら『焔の鎖』:× 相変わらず妙に自陣過剰で思わせぶりで自己完結。
■七唄あむ『イノセントフラワー』:× エロを入れたいのは分かるが展開が突飛過ぎ。
■いわさき砂也『お仕事しまショ!』:◎ アニメ絵もお馬鹿な主人公もたまりません。
■深瀬紅音『ポケットセンチメンタル』:◎ 心情がリアルでその若さに萌えますなあ。
■羽崎やすみ『学園ルンバ』:▽ キレが無いよなあ・・・。
■鳩村衣杏『絶対に負けない恋愛』:スルー 来月号が出たら一気読みするので。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-12-08 02:11 | 漫画感想 | Comments(0)
2004年 12月 02日

走るは師のみにあらずして

いよいよ年の瀬ですが、全てが押しておりツケを支払わされるまでのカウントダウンも。
発作的に携帯を買い換えボニーやエゴの曲を仕入れてみたり。待受は鉄塔写真(笑)。


【D―Pri 17】 やっぱり微妙だなあ。鹿島田しきも微妙になってきたし・・・。
■河合英杞『憂鬱』:〇 脳内なのに妙にリアルだし、萎えネタなのに萌えもある感じ。
■みなみ遥『CHILD EPICUREAN』:▽ 女装コスプレされてもねえ。妙に漫画絵だし。
■羽柴紀子『追憶の虜』:▽ エロ以外を練りこもうよ。エロ自体パターン化してるし。
■樹要『4月4日。』:△ 設定や攻のキャラは激しくどうかと思うが今回は割と。
■鹿島田しき『ぼくのだいじな犬』:△ このシリーズ続けるの? 微妙だしショタ色薄いし。
■吉田チエ『ふたりのくぼくん』:〇 オーソドックスでよいですな。ややあっさり過ぎか。
■美輝妖『どっち』:スルー 名前打つだけでも鬱なんだが字面でさらに倍。


【少年愛の美学 10 朝立ち】 多くの作家に息切れ感が。業界全体が疲弊しているか?
〇:ツヅキ真宵『愛だけの他人』: 関係性もエロの展開もうまく作品としても読めたので。
△:犬丸『俺たちの合宿』: 無難にエロに特化してますなあ。脳内感がないから良いか。
   矢間野狐『チチンのプイ』: この人も病的だが今回はエロに力が入っているので。
   星逢ひろ『龍太MyLove』: 小ネタなのが却ってうまくまとまって良かったかと。
   あらなが輝『OWN』: 異世界設定は疑問だが、独特の持ち味が出ているので。
▽:諸汰鎮孝『妹の秘密』、nicoco『私立けものの学園』
×:秋緒たかみ『大宇宙アカシックレコード管理委員会』、三井純『ヌキヌキ』
   かるま龍狼『朝立牛乳配達人』、坂本ハヤト『大きな森のキノコの下で』
スルー:稲葉COZY『朝立ち家族』、土肥けんすけ『ハリ師雀庵』
     よこやまちちゃ『ぼくてん』、海老知里子+紬きゅうた『秘密合体ダイラオン』


禾田みちる『スノーライン』:▽ もともと特異な作風の人だが、ギャグにされると・・・。
紺野キタ『SALVA ME』:◎ 信者ですので。ギャグは少女を使った方がいいかな?

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-12-02 01:16 | 漫画感想 | Comments(0)