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2004年 10月 31日

エスケープ病

場当たりで取り敢えず赴けば事態を乗り切れた時代は過去のものとなりましたゆえ
状況はより救い無くひたぶるに嵌まり込むのみなのですが、あがき止めることも能わず。
総合的に見ればどちらかというとよろしげな出来事のほうが多いようなのですが。


菱沢九月『のらいぬ』は興味深いがあまりの暴力と閉塞性にあてられてしまった作品。
いわゆる不良である主人公たちの、暴力と排他と苛立ちに満ちた破滅的な日常と、
彼らを取り巻く様々な事件、そして人間模様(特に親子関係)、主人公それぞれの
相手に対する心身両面におけの凶暴なまでの執着と依存を描いている作品なので、
個人的には好みの系統だが、いかんせん描写力が足りなくて付いていきにくかった。
特に受を規格外に設定しすぎたため、読み手としては多少移入しがたい面があるし。
本文中で語られる攻の受への執着や憐憫が断片的でやや説得力に欠ける気がするし、
あと彼らが肉体関係に至った必然性は理解できるが、やはり特異であるとは思うので
そこまでの心の動きは過去のエピソードとしてきちんと書いておいて欲しかった。

個人的に、こういったバイオレンスを描くのならばあまりウエットな感覚は持ち込まず
描き方も評価の仕方もドライに受け流して欲しいと思う。「スペル・イー・エス」のように。
中途半端に暴力がリアルさを持つと共感が痛みやいたたまれなさを呼ぶと思うのだ。
作者がキャラに憐憫を持って描いてしまうと、読み手はまずキャラに共感した上で
作者からの憐憫を受けることとなり、謂れない蔑みを受けるような感覚に陥ってしまう。
また暴力を暴力として描く以上、過剰な憐憫などはむしろ作品の陳腐化をもたらすし、
乾いた視点で乾いた描写を重ねる方が、その無機質さゆえかえって暴力は際立つし、
読み手も自らの第三者性を保ちつつ自由に作品世界に入っていけるのではないかと。

やはりこうした作品を書かせたら801では西条公威の右に出る者はいないように思う。
彼女自身には批判すべき点があるにせよ、作品の独特の存在感は揺るがないわけで。
逆に言うと上の私の評価も彼女の作品に引きずられたものであるのは否定できないが。


麻生玲子『その胸元を吐息で濡らし・・・』はベテランらしいうまく纏めた恋愛物。
この作家は従来から普通の男同士が出会って恋に落ちるという話を良く書いているが
つまりこれは奇矯なキャラやエピソードに頼らずとも恋愛譚を描ききるだけの筆力が
あるということに他ならず、良作も多いし、私自身準作家買いをしている作家でもある。
ただこういった話は特徴が無いことも確かで、派手な作品を売り散らす801業界では
地味と称されることになるし、また新鮮味がないとの印象も持たれてしまうことも事実。
そうした印象を回避するためか、本作でも背景やキャラに色々な要素を入れているが、
正直なところ若干こうした付加設定に振り回されているような気がしないわけではない。
受を過剰な「無自覚美人」にするためと思われる職場関係の描写は余計だと思うし、
攻への感情を確認する契機になったとしても些か後味の悪いエピソードになっている。

また攻が始めに受との距離を詰めようとする動機が描かれていないのも気になる。
一般のいまどきの男であることを強調したいためか、女と一夜限りの関係になったり
セフレが一杯いる設定になっているが、この設定はあまり生きていないし、むしろ
なぜそんな男が受を口説くようになったのかの説明が必要となる分マイナスでは?
しかもその説明も「今までは恋愛の振りをしていただけで、今度の恋こそが本物だ」?
例によって例のごとく本当の恋は男相手というオチですか。全く安直でくだらない。
百歩譲って本当の恋に目覚めたのだとしても、どのように受への恋が今までと違うと
気づいたのかを書き込んでくれなければ説得力が皆無だとなぜ気づかない?
それとも私が知らないだけで、男を相手にして始めて真の恋愛に気づくというのは
801業界においては物理法則のように当然の帰結であるとされているのだろうか。
私は感情の動きとして説明が必要だと思うのだが、そうではないというのだろうか?

・・・話が逸れたが、とにかく攻をこのような設定にした意味が無いように思う訳で。
却って攻の誠実さを疑わせることにならないだろうか。逆に、今まで遊んでいた男が
自分ひとりに夢中だということをもって安心したり優越感に浸ったりするのだろうか。
まあ正直どうでもいいのだが、読んでいて色々なところで考えさせられてしまった。
背骨となる話の展開自体はしっかりしているし、なにせ安定した筆力があるので
キャラもストーリーもしっかり描かれ安心して読めるが、どうも首を捻ってしまった。
そういえば攻が御曹司でしかも超優秀だったという設定にも萎えた記憶があるが。
この作家には媚もけれんみも無いオーソドックスな恋愛譚を書いて欲しいと願うが、
商業的なことなどを考えるとそれも難しいのだろうなあ。なんともはや。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-10-31 22:25 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 10月 28日

心身の風邪

要はセルフコントロールが及んでいないだけなのですがねえ。いやはや。
小説は6冊読みましたが感想はこのささくれが治まってからものさせていただきたく。
ストレス故か買い溜めた分もまだ8冊ありますしねえ。いつ片付くやら。

今のところ本サイトに辿り着くためには原則として検索サイト経由になる訳ですが、
どうやら小説より漫画のタイトルや作者での検索中に辿り着く人が多いようでして。
ところがご覧の通り漫画については場繋ぎとして始めた1行コメントがあるに過ぎず、
一応のメインは小説の個人的感想な訳ですから、ある意味詐欺だなあとの思いが。
時間や手間や私の批評眼の欠缺のせいですので仕方無いと開き直ってはいますが。
・・・でもけなしたり嫌っている作者名で検索して来た方には妙な罪悪感も感じたり。


【Dear+ 11月号】 なんでセバがないの? 単行本4巻の書き下ろしに忙しいのか?
■一之瀬綾子『スタンバイ。』:△ 初回なのでとりあえず。絵が雑に見えるが気のせい?
■志水ゆき『是―ZE―』:▽ 人が多いし展開もキャラの登場も唐突でついて行けない。
■蔵王大志『僕たちは明日に向かって生きるのだ』:× 話の脳内度はさすがですな。
■月本てらこ『惑性'.s』:▽ これも訳が分からないかも。前の話を覚えていないし。
■高群保『JAZZ』:▽ 展開にひねりがないし曲などの小道具がどうもダサく見えて。
■門地かおり『生徒会長に忠告』:▽ 要素要素は面白くない訳ではないが意味不明。
■カトリーヌあやこ『SLEEPER』:スルー 完結したら読み返そうかという気もするが。
■藤田いちか『ラストゲームは私と』:スルー 絵でアウトなのに話でも目が滑って。
■小都恵萌『CANDY GANG』:〇 絵に躍動感が全く無いがノリやオチは好きなので。
■こいでみえこ『唇に甘い毒』:× クールにもやんちゃにも見えないんだってこの絵じゃ。
■楢崎壮太『やればできるさ3』:▽ ただすれ違ってあっさり解決というだけではなあ。
■西田東『影あるところに』:× キャラも話も壊れてきたしこの絵で雑だしもう十分では?
■えみこ山『懐疑は踊る』:× 話は進まないし絵は雑で白いし、同人誌レベルでは?
■松木加斎『夕暮れクラクション』:◎ 攻の安直化や兄のステロさはあるが味があって。
■やまかみ梨由『太陽のロマンス』:× 散々引っ張っておいてやはり最後は奇跡ですか。
■志々藤からり『Choose me?』:◎ 相手の設定はどうかとは思うが上手く纏めたなと。


【GUSH 11月号】 ついに某所にテンプレが登場しなくなったか・・・。確かに微妙だが。
■はしだ由花里『カブキ』:△ メインキャラの絵がどれも安定していないってどうよ?
■扇ゆずは『浴びる純情』:スルー 絵がとにかくダメで。話も一人称で見えにくいし。
■越智千文『breath』:△ 無難に進む話。しかしエロは妙にみんな筋肉質っぽいなあ。
■裕也『ろくでなしの恋』:▽ キャラが皆脳内ステロだし全然劇団っぽさが無いし。
■日の出ハイム『梅の谷桃源郷』:◎ どぎつめのエロも味かなあと。ただ設定は微妙。
■ホームラン・拳『ぼくとアクマと魔法のことば』:▽ やはり訳が分からぬまま終わった。
■宮越和草『ゴールド・フィンガー』:▽ 攻の言動が微妙だし話もステロ。絵もうるさい。
■桜川園子『花もいばらも!』:スルー 性格設定も外観も全てがありえなさ過ぎて。
■氷室桜『異文化恋愛事変』:〇 展開が唐突でベタだが絵やエロがツボなので。
■金沢有倖『逆らえねェよ!』:スルー 名前を見るだけで絵が浮かんでしまい鬱。
■深瀬紅音『ポケット・センチメンタル』:〇 話がどっちつかずで中途半端なのが惜しい。
■羽崎やすみ『学園ルンバ』:▽ ネタ切れ感が強いなあ・・・。


【少年嗜好 6】 やはり休刊ですか。各作家に好き勝手をやらせすぎだったからなあ。
△:カスカベアキラ『リリー・マルレーン』: ナチネタ×だし少年兵にしては幼すぎだが。
▽:鬼窪浩久『夢色お勉強会』、かげちん『真琴』、星逢ひろ『ハチガネとレン』
×:Macop.『幸福追跡機』、諸汰鎮孝『奏でられる音』、みにおん『アニマ』、
   田倉まひろ『ふれあいわんわんSCHOOL』、蒼隆行『バイブでいこう』
スルー:鬱之宮鸞侍楼『ゆらゆら』、坂本ハヤト『雑誌廃刊男ハヤト』、


(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-10-28 00:32 | 漫画感想 | Comments(0)
2004年 10月 21日

賽の河原の石積み・続き

【MAGAGINE BE BOY 11月号】 真ん中で100pくらい飛ばすってどうよ。潮時か?
■こだか和麻『恋愛方程式』:× 後日談でもきちんと描けよ。中途半端だと萎えまくり。
■ねこ田米蔵『セーラー服を脱がさないで』:▽ 同人ノリで自作を弄り商業に載せるか?
■三島一彦『先生!』:◎ キャラも話も移入できて好感が持てる。意外性も利いてるし。
■神葉理世『愛人☆淫魔』:△ 弟の設定が意味不明すぎ。主人公の馬鹿さもなあ。
■九州男児『課長の恋』スルー1 シュールな不条理ギャグとしてなら読めるのか?
■龍川和ト『星陵最恐物語(中編)』:スルー2 初め誰だか分からなかったのだが。
■浦コハク『愛犬ゲンキ』:スルー3 こういう不条理は嫌いなので。キモイし笑えない。
■水上シン『前世と現世と君と俺』:スルー4 絵もネタも好みではないので。
■寿たらこ『SEX PISTOLS』:スルー5 これも人気あるらしいよねえ・・・(遠い目)
■大和名瀬『ペット・お仕事中(前編)』:× こんな独身寮ねえよ。誤解パターンも飽きた。
■本庄りえ『化学室へどうぞ』:△ ギャグかシリアスかエロか中途半端で散漫な印象が。
■あじみね朔生『わがままロメオ』:× 絵が不気味だし話が意味不明で。前に載ってた?
■しょうおとあや『ノスフェラトゥKiss』:▽ 意外性がないし絵も安定していないし。
■びっけ『真空融接』:〇 設定は微妙だが面白く独自性もある。ただ多角展開はどうよ。
■梅太郎『十六枚の告白』:▽ 攻がキモイ。短編に特化しすぎで移入しようもない感じ。
■立野真琴『HERO・HEEL』:▽ 特撮好きなのね・・・。話の枠組みはありきたりだし。


【CRAFT 22】 微妙なりに安心して読める不思議なアンソロ。上の後だと評価が甘目?
■宮城とおこ『G線上の猫』:〇 絵も間も好みで。ただ時間軸が錯綜するのはどうかと。
■山本小鉄子『晴れてボクたちは』:△ 悪くはないが、レズの友人を絡めるのはなあ。
■夢花李『巳と少年』:▽ ・・・脳内?
■紺野キタ『天使も踏むを恐れるところ』:◎ 話の切取り方、描き方、省略振りが秀逸。
■藤たまき『ベル・コンポスト』:△ 数奇な人生を歩む人を絡めた長編が多いよなあ。
■雁須磨子『ちいさいはしゃぐ、とおくとぶ』:× 描写が飛びすぎて理解できず。
■街子マドカ『月光夜河』:〇 思わせぶりだし説明不足だが小ネタと展開がうまいかと。
■河合英杞『青春花心中』:〇 各人の感情の現し方が上手い。写植はかなりウザいが。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-10-21 02:41 | 漫画感想 | Comments(0)
2004年 10月 20日

賽の河原の石積み

諸事に追われる中で斯様に頻々と更新するのもどうかと思うのですが、
来る週末を遊興に費やすため更新ができないのでその代替も兼ねて。
正直801だけで十数冊、その他計40冊以上未読の本が溜まっていまして、
特に801は読むのと同等かそれ以上の時間を当所に注ぎ込むことになっているため
ただでさえない余裕がさらに削られているという気も。まあどちらも趣味ですので。

なおジオのサービス変更に伴い従前の日記ツールが使えなくなったのですが、
エディタの変更に伴い1行辺りの文字数が増えておりますのでご報告まで。
やはり画面に収まる文字数で纏めようという意識が無意識に働くものでしてねえ。


椹野道流『夜空に月、我等にツキ』は801というよりベタなホームドラマかと。
出来上がったカップルについて浮気ネタもかまさずに話を続けようとすれば、
畢竟イベントか家族・友人ネタで持たせるしかないのは当然といえば当然で、
正直安直に当て馬を咬ませたりすれ違いを描いたりするよりはマシだとも思うのだが、
そもそも上記のようなネタを801としてやる意味があるのかという根本的な疑問が。
まあ第1作目が割と好みだったのでそれに殉じて最後まで見届けようという気や、
続編を買ってしまった以上揃えたいというコレクター的な感覚で買っているものであり、
上記のようなものだと分かって買っているのだがやはり読んでいると疑問が拭えない。

まあおそらく私が801に恋愛描写を求めているからのこうした感想になるのだろうが。
このカップルに移入している読者にしてみれば満足のいく描写や展開であるし、
話自体にそう突っ込み所が多いわけではない。まあ全てがうまく行き過ぎてはいるが。
(やはりホモカップルが双方の両親から理解を得ているというのは個人的にどうもねえ)
ただそうでない読者からすると、単にバカップルがベタベタとのろけている様と
彼らが両親に受け入れられて良かったねという話であることに過ぎないわけで、
作品として見た時にはどうかとも思うのだ。ある意味単なる事後処理ではないかと。

そもそも「結婚式」を挙げたり、両親に挨拶に行ったり、コスプレ描写までするとか、
必要がないネタを自らの趣味として垂れ流しているだけのようにも思えるし。
やたら臭いセリフを言わせて小奇麗に話を纏める辺りとかも考えが浅いというか。
書いている本人は楽しいし満足しているのだろうが(少なくないであろう信者も)、
こちらとしては創造性や物語性に欠けた萌えの垂れ流しを読ませられるわけで、
読んでいて謂れのない苛立ちというか呆れのようなものを覚えてしまった。

だからといって本作が一般的に読むに耐えないのかというとそうではないのだが。
(文章自体は破綻していないし脳内な展開もないし奇矯なキャラも出ていないし)
もともとこういった続編的なものは好みではないし悪趣味であると思っているので、
一連の作品に対する嫌悪を本作の評価に仮託してしまった感もあるのでご留意を。
しかしこういった作者と読者、作者と編集あるいは作者と作品世界の馴れ合い、
言い換えると緊張感なく身内感覚の楽しさだけで書かれてしまった作品に対して
自分がここまで批判的かつ冷笑的なのには801以外における理由がありそうだが。


神奈木智『征服者の特権』はライトノベルとして読めばそこそこの質の作品。
あまり801めいてない気がするし、突っ込みを入れてしまうと読めないのだ。
なにせ辣腕弁護士と極道の跡取りのカップリングですからねえ。何というか。
互いに復習という目的を持っている2名が出会い駆け引きをしていく中で、
自分との類似点や相手の魅力に気づき反発しあいながらも引かれていく点などは
うまく書けてはいると思うのだが、背景の事情が微妙というかご都合というか。
初期設定が唐突だし策謀の作り込みが浅いので妙なうそ臭さが残ってしまう。
それぞれのキャラの卓抜さの描写が相手の主観(モノローグ)にかかっているので、
下手な描写を重ねるよりは説得力のなさが分かり難いが、気づくとやはりねえ。

あと極道についての扱いがステロだしご都合だし(作者にとっても受にとっても)、
弁護士の「アシスタント」の女性の設定なんて作者の趣味を出しすぎでは?
弁護士と対等に優秀で度胸もあり、美貌と高い身体能力を持っている上に、
ボディガードを務めあまつさえ拳銃までも難なく扱うスーパーレディ? 笑止千万。
他にも突っ込みを始めたらキリがない。まあ実益がないし、そもそもからして
801作品の本旨ではないところへの突っ込みではあるわけなのだが。
まあ逆に言えばこういう801の本旨でないところに注力された作品な訳で。
(ちなみに攻の弁護士は修習を受けていないし(笑)。無資格ですよ? カリスマ?)

肝心の801についても、互いに惹かれあう理由についての説明が相当に欠けており、
折角双方の視点を織り交ぜながら話を進めている点を殆んど活かせていないのだが、
受の兄貴分というキャラをうまく絡めて愛憎や三角関係っぽさを出している辺りは
元々筆力がある作家であり楽しんで読むことはできた。この人も業界長いしねえ。
本編についても一応うまく落ちはついてカタルシスも得られるようにはなっているし。
厚さの割には最後まで目が流れることはなかったし、全体としてみてもうまく纏めては
いるとは思うが、やはり801としてみてもラノベとしてみても微妙さは拭えないかと。
まあこの人の筆力への期待から評価が辛くなっている節は否めないとは思うが。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-10-20 02:41 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 10月 18日

毒を喰らわば

色々弄りつつ見返していたら、『少年愛の美学』のコメントを略しすぎた気がしてきたので、
削除修正のうえもう1冊読んだ感想も上げてみようかと思ったり。破れかぶれ?


【LoveX 7】ミキヨウ先生がいないだけでこれほど読みやすいとは。後半だれ気味?
■やまかみ梨由『甘いおくすり』:△ 絵が不向きだし記憶喪失は愚作だがエロに殉じて。
■天城れの『妄想少年』:〇 妄想オチは止めようよ。昔のショタアンソロと同タイトルだし。
■樹要『きみといる魔法』:△ 無難というかありがちというか。変異ものでなければねえ。
■Dr.天『いとやさし君』:▽ ギャグとして読めば面白いがエロはなあ。話もパターン化?
■氷室桜『好きになったヒト』:◎ よくある話ですが、キャラもエロの書き方もツボでして。
■栗山なつき『らぶ・CAT』:▽ 失くしたペットの代わりさせてエロってどうよ。よく見るが。
■あきばじろぉ『お仕置きニャンコ』:× 子供が怪盗ってだけで笑止なのに手出すって?
■羽柴紀子『初めてのおとまり』:▽ キャミとガーター着てバイブ入れて誘う小学生・・・。


【少年愛の美学9 ぼくらの運動会】 いくら男性向けとは言え話をおざなりにしすぎでは?
                      肝心のエロもなんだかズレた感じがするし・・・。
〇:犬丸『トレーニング』: 珍しく普通系の話でエロも頑張り気味。汁が少ないのも良い。
   さそりがため『行列のできる応援団長』: ネタがどうかと思うがエロには一日の長が。
   諸汰鎮孝『まじわり』: 絵は荒いが本作で唯一萌えを覚えうるものかと。微妙だが。
△:星逢ひろ『的中』: 大人の弱さに都合のいい子供という構図が強いのがちょっと。
   矢間野狐『君に夢中』: どんどん巨頭・巨眼化するのが好きではなくて。特に攻。
   あらなが輝『ラブ★バトン』: 妄想中心でリアル描写なしってなあ。まともに描いて。
   ツヅキ真宵『白球事変』: 文明崩壊後の近未来にする必要性と現実味がないかと。
▽:ひんでんブルグ『優しく教えて』、三井純『ドッジやろうぜ!』、
   nicoco『私立けものの学園』、秋緒たかみ『二人三脚事始め』
×:ぽ~じゅ『道草』、稲葉COZY『体操少年』、かるま龍狼『ショタ害物競争』
スルー:海老知里子・紬きゅうた『僕たちのスポーツ大会』、よこやまちちゃ『ぼくパット』、
     土肥けんすけ『ゴーゴー舞とくん!』、坂本ハヤト『私立上だけ学園運動会』

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-10-18 01:53 | 漫画感想 | Comments(0)
2004年 10月 17日

未読の本が積み上がる

体調が悪いのに映画やコンサートに行ったりしたせいで物事がはかどりませんで。
『誰も知らない』を観ましたが何を伝えたいのか読み取れず。現実感の奇妙な欠缺。
主人公にも萌える前に傷ましいとしか思えなかったとも。しかし主演男優賞・・・?


高遠琉加『天国が落ちてくる 2』は芸能人が絡み始めて当初の魅力が減殺気味。
続巻ものの宿命なのかもしれないが、カップルがすれ違う様が多く描かれるため、
前作のような前向きに支えあう感じではなく思いつめた最後に誤解が解ける感じに。
まして明るくわがままな女性シンガーや受を牽制する天才ギタリスト等が絡んでくると
安直との印象を否定できず。あとHへの流れも唐突で今まで引っ張ったのが台無し。
勢いや第三者の影響などによってではなく、受が自ら考えて好意に気づくことにして、
その過程の心理を十分に書き込むべきだろうに。最後も狙いすぎた終わり方だし。

まあ3冊物の中巻というのは得てして微妙になりがちなので、まだそう悪くはないし、
最終巻も含めて判断はしたいと思うが、果たして持ち直してくれるだろうか・・・。
番外編は、才能の相克的な話で割と好み(行き過ぎた天才ネタだともにょりますが)。
ただ女に逃げたり薬に手を出してなんて話にしたのはやり過ぎだし方向性もどうかと。


榊花月『バナナチップス・チョコレート』は三角関係ものと言うべきか、まあ彼女らしい。
御曹司である受が遥か年上の音楽プロデューサーに絡め取られているという設定には
苦笑いするしかなかったし、登場後しばらく描かれる攻の「俺様なマイペース」ぶりには
榊花月らしさが出過ぎていてかなり引きかけたが、二人が感情を交わしあい互いへの
好意を育てていく辺りでは奇矯さが適度に抑えられていたのでそれなりに楽しめた。
(この人のシニシズムやマイペースさは程度を超えると非常に不快感をもたらすので)

特にゲイネスを自覚している受が攻に対し抱く熱情と懊悩の描写は卓抜でかなりツボ。
ただ告白シーンが余りにあっさりで拍子抜け。双方の気持の高まりを期待したのに。
話の後半自体も、いかに年上の男を切るかという本来本筋ではない話に紙幅が割かれ
展開としてはどうかと。そもそもこの男を現在進行形で付き合わせる必要が無いと思うし。
なんでわざわざ妙な展開にしたのだろう? 確かに受に影響を与えるという必要はあるが
過去の男との設定にしても問題ないし、当て馬という設定でも十分ではないか。
変なところで違和感や不快感を感じさせられる羽目にあい、もったいないなあと思った。


【小説Dear+ アキ】 ひちわが落としたようだが、今回は長めの話が多く薄味感はなし。
■榊花月『風の吹き抜ける場所へ』:〇 相変わらずの榊節だが、穏当にまとめているし
                        キャラに嫌味が少ないので。でも家庭環境等は
                        これほどまで酷く書く必要は無いとも思うが。
■久我有加『胡蝶の夢に浮き泊る』:× とにかく趣味に合わない。読んでいて苦痛だった。
                        既存作品の嫌な所をなぞったパロディに見える。
                        攻は全く実業家に見えないし、改心ネタも陳腐。
■砂原糖子『斜向かいのヘブン』:△ エロはそこそこツボなんだがネタがとにかく微妙で。
                      冒頭の男女ネタもだし本当に吸血鬼ってのは勘弁。
                      男相手に初めて恋を知るってのがそんなに好き?
■真瀬もと『背中あわせのくちづけ』:スルー 外国物が嫌いで受け付けないのって、
                           ハーレクインっぽさが濃厚になるからかも。
■おのにしこぐさ『臆病な背中』:◎◎ 素晴らしい。主人公の人気振り等はステロだけど
                       自らの理解できぬ情動に戸惑う描写はうまい。
                       キャラの造型も話の展開も心情も全てリアル。
■門地かおり『第二ボタン下さい』:〇 まあ今回は笑えるし持ち味の微妙なエロっぽさも
                       うまく出ているし。ただ話自体は意味不明。
■ひむか透留『手をつないでこ!!』:◎ 新人というので期待も込めて。絵は荒いが
                         キャラがリアルだし話のバランスも悪くない。
■カトリーヌあやこ『サッカーおばかさん出張版』:▽ 『スポーツ感動野郎』への嫌悪を
                                 投影せざるを得ない話題で。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-10-17 15:48 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 10月 15日

百代の過客

故人は斯くも適切な言を残したものよ。周囲でただ物事は過ぎ行くのみで・・・。

いつの間にやら1500アクセスを頂いたようで、皆様ありがとうございます。
特に記念の意図ではないのですが雑文をものしてアップしましたが、それで時間が・・・。
また小説の感想が溜まりつつあるのも空恐ろしいのですが。遠からずに。

私の敬愛する鷺沼やすな嬢の新作が次号の小説リンクスに掲載されると知り喜ぶ。
事情もあるのだろうがなかなか予定通りに作品が上梓されない作家なのでひとしおに。

彼女に限らず高評価の作家や作品についてコメントを纏めてみるのも面白そうですね。
言葉にすることで新たに見えてくるものの多さはしみじみと実感しておりますので。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-10-15 02:52 | 801雑記 | Comments(0)
2004年 10月 10日

I got no rule

以下はコミック系。またテンプレ自作ですよ奥さん(?)。ダメダメ過ぎ・・・。


【ショタみみLOVE 4】 一定の画力で纏めた辺りは老舗の貫禄か。ただ話が微妙・・・。
●かたぎりあつこ『シネマチック★キス』:〇 この人の頑張ったエロを見てみたい気が。
●秋緒たかみ『猫吏』:▽ 時代設定に意味が無いしこのキャラは何? エロも長いだけ。
●nicoco『うさずきんちゃん』:△ エロとほのぼのだけなのに読めてしまう自分に驚愕。
●水龍玲太郎『うさぎ』:▽ 前半引っ張った意味もなく唐突にエロに入るのはどうよ。
●BENNY’S『食え!! 猪名ブー』:▽ だからこのキャラとタイトルは何のつもり?
●犬丸『ジャングル・ファナティック・ブギ』:△ こんなネタ続けず普通の話描けないの?
●水内繭子『夏と君、君の瞳』:▽ 受のエロさが唐突過ぎ。襲われるのも無茶では?
●カメイ与五郎太『白栲のしおり』:△ 今回は話が進んでおらずついていけたので。
●牛乳リンダ『お見舞でえと』:▽ ここまで第三者を絡ませる必然性がないのはお見事。
●星逢ひろ『失恋の国』:× キャラ描き分けられてないし設定は意味不明で脳内っぽい。


奥田七緒『隣人をアイそう』:△ 全て互いの好意を前提とした話なのは正直どうかと。
                    お約束やネタの処理には独自性も見られ悪くないが。
木下けい子『君とハルジオン』:△ そんな程度の関係だけで未成年を引き取るか?
                      雰囲気は秀逸だが話の内容が薄いのがなんとも。


アマゾンで出てくる「本のおすすめ」の内容が毎度かなり的外れなのに脱力気味。
新刊を買い逃したものや作家買いで買うときにもアマゾンを使うことが少なくないため、
801本を紹介される(この時点でかなり嫌・・・)のだが、それがまたひどくて。
なぜか普段「金を貰っても読みたくない」と思っている漫画家や小説家の作品が
お勧めとして紹介されることが多く、怒りというかやるかたない気分にさせられてしまう。
使わなければいいのだが、この機能で好きな作家の新刊発行を知ることも少なくなく、
まさに痛し痒しという感じで。でもリーフとか紹介されたらもにょりますよねえ・・・。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-10-10 01:11 | 漫画感想 | Comments(0)
2004年 10月 09日

Is it joking or curiosity?

些事に不意打ちをくらい続けておりまして、日常がうまく回っていないといいますか。
頭の中では『カサヴェテス』の題記のフレーズがヘビーローテして物事も手につかず。


久遠カンナ『背徳のエチュード』は例えは悪いが「よろめき系のAV」のような作品。
「黒アクア」(?)なのでエロシーンがやたらに多く、作者も頑張っているのだろうが、
読んでいると言葉遣いだけが先行している印象が強く、シチュに萌えたりする前に
お腹が一杯になってしまう感じ。ある意味エロくない宇能鴻一郎っぽいかも(笑)。
あとサドマゾっぽいことを書くのなら心情をこんなにあっさり書いてはダメでしょう。
なぜそうされたいのかとか、そうされたらどう感じるであろうかといった辺りについて
ほとんど書き込みがないから全然そうらしく見えないし唐突さを拭えない。
(SM系のエロに関しては西条公威という奇才に触れているため評価が辛いので・・・)

エロシーンの会話が丁寧語なのにも違和感。言葉攻めのつもりなのかもしれないが、
筆力が全く追いついていないため正直言って厭らしさのようなものも覚えてしまう。
雑誌掲載作である以上仕方がないのだろうが、第1話の展開が唐突なのもどうかと。
初のエロに向けては一定の説得力ある流れを作ってくれないと付いていきにくい。
ピアノについての描写は立ち入りを避けストーリーにうまく絡めており好評価だが、
エロシーンにまで絡められると途端に萎えてしまうというか。ありえないでしょ・・・。
ただ当て馬の高校生の描写が作品の雰囲気から見てかなりリアルになっているのは
個人的にかなりツボで、上述のような前半の展開では予想できず思わぬ収穫だった。
特にエロが秀逸。自己中心的な乱雑さの中に幼さやひたむきさが滲む年代の特徴に
そぐう形で造型されているため、読んでいて思わず妄想を掻き立てられてしまった。
全般に微妙なのだが、所々にツボに来るものもあって捨て置けない作品だったかと。


小川いら『宵山恋歌』は花丸文庫は花丸文庫でしかないことを再確認させられた作品。
文章は三人称っぽいのに、17歳とは思えないほど幼くて無知な主人公に寄り添って
話が進んでいくのにまず違和があり、受に萌えさせようとして示されるボケやドジ、
あるいは素直さといったものを肯定的に捉えられず、むしろやや苛立ってしまった。
そもそも京都弁がうざい。受の身勝手ぶりや頭の悪さが際立つ結果となっている。
攻が主人公に惹かれる理由も容姿以外に説得力を持っておらず書き込み不足かと。
この攻も青年実業家だそうだがその描写もやはり足りないし。まあありがちですが。
受が攻の浮気を疑うが何も出来ず悶々とし勝手に避けるという使い古された展開を、
上述のようなキャラでやられるとかなりうんざりしたし。しかも相手は姉ですと?

あと当て馬も唐突かつご都合なのに加え頭の悪い言動を繰り返し始末に終えない。
それでも話はご都合に進んでHの快楽も覚え最後は当然ハッピーエンドになる訳で、
読み終わった後には乾いた笑いしか残らなかったというか。まさに始球式ものだった。
あと舞台設定などに作者の好みが入りすぎていて、正直イタい以外の何物でもない。
作中人物に語らせているあたりも妙に上滑りしているし、そもそもアウトサイダーが
インサイダーの口を使うという時点で無理や醜悪さが滲むのは不可避だと思うのだが。
ただここまで酷評するほどの作品では流石に無いかも。相性が悪かったのだろうか。
花丸文庫の読者層には受けるのかもしれないが、私は全く受け付けられなかった。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-10-09 01:11 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 10月 04日

踏み外す生活・続き

以下はコミック系の感想。『Daria』のテンプレはいつもの某所より頂いてきたものだが、
そこでは誰にも使われていないという状況。まああの微妙さではなあ・・・。
そして『D-Pri』については毒を食らわば皿までと自らテンプレを作ってみたり。
これだけ色々読んでおいて今さら業の深さを嘆いてももはや笑止だろうし。


【Daria Autumn】 創刊時より読んでいるがそろそろ微妙かも知らん・・・。
■石丸博子『LOVE/KNOT』:▽ 絵が古いなあ。あと初回ならもう少し話を動かしたら?
■桜川園子『ワイルド・ワイルド・ベイビズ2』:× 読めなくは無いがお金の絵に似てきた?
■果桃なばこ『恋は一夜にしてならず』:スルー 歪みは減ったようだがキモイのは一緒。
■富士山ひょうた『てっぺんのひまわり』:▽ 独善で気取ったキャラの高校生はどうよ?
■速瀬みさき『ひよこ道場』:▽ 前の方が良かった気が しかしこの人も4コマ長いなあ。
■今市子『B級グルメ倶楽部』:△ 脇キャラが×。他キャラもみんな自己中っぽいのも。
■東里桐子『LOVE RECIPE』:スルー なぜ身内受け? 面白いのは作者だけだって。
■かんべあきら『ビタースイートカフェ』:× 代わり映えなし。受が幼児化してる程度か?
■なると真樹『恋の味見は一度だけ』:△ 作風や絵的にもエロはない方が良い気が。
■石原理『羊たちの番人』:▽ 絵も作風も好みで無いので。今回はキャラもちょっと。
■天羽宥貴『CELLULOID HEARTS』:× 絵もストーリーもあり得ない感で一杯です。
■緋色れーいち『目を閉じておいでよ』:▽ コメントが思いつかない。エロ描写だけ?
■円陣闇丸『天国へ行けばいい』:△ 設定がどうもなあ。あと今回は思わせぶりすぎ。
■花屋敷ぼたん『Artificial Mermaid』:× 画面に動きがない。話にひねりもないし。
■えのもと椿『どうにも止められない!』:×× 意味不明。どうして内輪ネタに走るの?
■神香うらら『猫は犬が大キライ?!』:スルー 変化ものはねえ・・・。


【D-Pri 16】 ミキヨウ先生がいるので買い止めたいのだが、鹿島田しき等がなあ。
●羽柴紀子『学園天国』:△ 今回は気味悪さが薄い。いい加減まともな性器描けよ・・・。
●桜でんぶ『殿!』:スルー 途中で読めなくなった。描写はリアルだが萌えが違いすぎ。
●鹿島田しき『プレゼント』:〇 ただ理由無くファンタジーにされても。あと唾液多すぎ。
●美輝妖『はげしいアナタ』:スルー 名前打つのにすら嫌悪感。タコが見えたが正気か?
●すがはら竜『愛の法律』:▽ 以前よりイタさが減りただのショタエロに。でも3Pはなあ。
●神邑郁『ふたりはお年頃』:▽ 絵がくどいというか成人描写から作った感じが全般に。
●吉田チエ『くもりドキドキはれ』:▽ 白いし設定もどうかと。まあ凡作以下でもないので。
●摩耶薫子『天使と小悪魔』:〇 エロの淫猥さは流石。ただ時折覗く妙な暗さや醜さが。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-10-04 22:53 | 漫画感想 | Comments(0)