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2004年 08月 28日

あと3週間

試験を乗り切るまで自分の気力と集中力と記憶力が持つのか非常に怪しいですなあ。


【Dear+9月号】 結構羅列に時間がかかるのが予想外。時間が無いのに・・・。
■やまかみ梨由『太陽のロマンス』:▽ 突然語られても。絵も駄目な方に行ってる感じ。
■前田栄/高群保『JAZZ』:△ ワンパターンだし話が浅いよなあ。
■池田乾『戦う!セバスチャン』:◎ 話としては駄目だがセバが戻ってきてからは爆笑。
■南野ましろ『タカトリキングダムキングス』:× 意味不明。絵も崩れてるし手抜き過ぎ?
■山田なち&藤島ゆこ『月と僕とキミと』:× 意味不明。うさしくんの代原だろうけどねえ。
■月本てらこ『惑性.'s』:△ 纏めて読んだら面白いかもしれない。絵は嫌いではないし。
■蔵王大志『僕たちは明日に向かって生きるのだ』:× ついに絵まで汚くなってきたし。
■依田沙江美『ブリリアント★BLUE~番外編~』:▽ 何がしたいのかしらん・・・。
■佐久間智代『傾国ミューズ』:▽ キャラの性格が変わってる気が。展開も妙だし唐突。
■石川都『天使の寝台』:× シチュだけではなあ。画面も見づらいし。
■宮本佳野『Heat』:△ 微妙なところで〇はつかないなあ。絵もキャラも少しキモイか。
■えみこ山『懐疑は踊る』:▽ 絵がなあ。展開も妙だし、親父はいらないだろう。
■たかなぎ優名『愛しきメテオライト』:〇 ただ展開もご都合だし親父の話は余計では?
■西田東『影あるところに』:〇 やはり絵がねえ。うまい展開をしていて好みですが。
■朝丘みなぎ『過感傷』:◎ 流石の一言。ただ女房の話やエビの彼女はいらない気も。
■真山ジュン『ピカレスク』:〇 ご都合ですし絵も微妙ですがうまくまとめたなと。
■窪スミコ『暮れゆく空は君の味方』:◎ お馬鹿系好きなので。ただ投手が女々しすぎ。


一応夏休み中に読んだ漫画の感想も一言だけ。
夏乃あゆみ『海の見える屋根』は受がワンパターンだが個人的には絵も話も悪くない。
穂波ゆきね『凛-RIN-!』は可も無く不可も無く。攻が急にガキっぽくなるのはどうか。
富士山ひょうた『落下速度』は省略の仕方が良い感じ。受が落ちる様の描き方が良い。
みゆき朗『自転車と黒いパーカー』は絵の雑さとエロさの兼ね合いが。ただ巨根はなあ。


【LoveX 6】は微妙でねえ。惰性以外に買う理由が無いというか。
背表紙に出てる4人(しおせ、美輝、くるみぎ、Dr天)が激しくどうかと思うし、
十泉は無駄にエロいだけ(汁まみれ&巨根の絵を受け付けないとそもそも論外)だし
桜でんぶも絵や話の濃さが気持ち悪い方向にしか向いてない(というかあり得ない)。
残りの2人も悪くは無いがロリ絵とエロをシチュで押し切っただけだし。
本当に買うのよそうかなあ。良い代替の購入品が無いから難しいところだけど。


【CRAFT 21】は紺野キタに惹かれるのはデフォでして。801ではないでしょうが。
そう魅力的と思う作品も無い代わりに酷いものも無く安心して読める印象が強い。
ジャンルも書き手の性状も読み手の層も掴み辛いアンソロとしか言いようが無いかも。
個人的趣味で夢花李と宮城とおこがツボだが、作品としてはやはり微妙かと。


【GUSHmania 10】は表紙に書かれた名前の上から4人が趣味に合わない(笑)。
個人的な趣味を離れても質的にどうかと思うんだかなあ。たちばなれいも含めて。
それでも深瀬紅音の微妙な間とHっぽさ(エロさではない)にはツボを突かれる。
氷室桜や楢崎ねねこも個人的なエロのツボからは外れていないので楽しめはした。


【少年嗜好 5】は各作家が良くも悪くもその作家らしい作品を書いているという印象。
そのためか読み慣れてしまった目にはあまり新鮮に映らず印象も薄くなってしまう。
きちんと各人がエロを書いているのにこちらにエロとして伝わってこないというか。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-08-28 03:49 | 漫画感想 | Comments(0)
2004年 08月 20日

Run and run and hide as you may

They will catch you...
今日はオフでした。歌いまくり&飲みまくりでした。それが全てです。


春原いずみ『BELIEVE~誓いの言葉はひとつだけ~』はつまらないというか。
主人公の攻が高校生くらいの頃からパトロネスに高級志向を叩き込まれたという
設定自体が個人的に始球式ものだが、その後も主人公は自己中な発言を繰り返すし
受についても綺麗だから欲しくなったという理由だけで露骨なアプローチをしていて
一応801ワールドではない舞台で話を進めている以上もう少し配慮して欲しかったり。
受の設定などは安直だがまあ悪くないし伏線としても生きてはいると思うが、
露呈の理由がそれまで完全な脇キャラだった人間の謀略で、しかも発信機となると
些かならず萎えてしまう。それはいくらなんでも無茶な不意打ち過ぎるのでは?
さらに受がそれだけの心理的ダメージを受けつつも恋愛感情を理由に許してしまうし。

本作に限らず思うのだが恋愛というのは全てにおいて免罪符として働くのか?
特に相手の受けた傷が深いと思われる場合や恋愛過程における裏切りの場合にまで
安直に許されてしまうとご都合さに付いていけなくなってしまうのだが。
相手への好意で許す、という流れにしたいなら、その当事者へ与えるダメージを
これほど強く深くする必要は無いと思うのだが、私だけの感覚なのだろうか。


咲花チハル『甘口バランス』はお馬鹿系に説明を盛り込もうとして失敗している感じ。
冒頭の夢のシーンは暗示を込めているのだろうが意味不明。幼馴染とキスをした
記憶がなぜ途中で見知らぬ男に入れ替わる意味があるのか? 予知夢だとでも?
その後の脇役2名の設定は面白いと思ったが(受くさいのに主人公を狙うとか)、
肝心の攻が自分勝手な割に考えなしで傍若無人という駄目なステロタイプではなあ。
俺様な言動を周りが納得している点についても説明が不足していて唐突だし。

主人公への恋愛感情を持て余しているという理由はあるにせよ、知人をけしかけて
襲わせた上で救出に現れ言質を取るなんてのは常識が無さ過ぎるのでは?
脅迫されて主人公が我を忘れてしまう辺りも不自然。まあ理性が飛んだ状態で
エロになだれ込むというシチュというかストーリー展開上仕方が無いとは言えねえ。
というかこの辺りも攻のキャラとしてどうかとは思うのだが。格好良きゃ良いのか?
とにかく突っ込みどころが多く、読んでいて目が本から離れることが多かった。


坂井朱生『うらはらな予感』は1冊1カップル型のシリーズものだと知らず購入。
もちろんこれだけでも読めるのだが、無意識に前2作を前提とした展開が出ていて
正直全く移入できない。主人公である受がかなり「いい性格」をしているのだが、
この辺りが読者や周囲の承諾を得ている形で描かれているので、本作から読むと
そのキャラの嫌らしい部分のほうが目に付いてしまい不快に感じられてしまった。
また脇キャラも非常な策謀家として描かれており、主人公らと高校を牛耳るという
描写があるのだか、これも本作だけでは説得力がなく非常に嫌味な集団に映る。

まあ天才が闊歩するのも801のお約束ではあるのであまり突っ込みはしないが、
読んでいて萌えるべくもなく「勝手にやってくれ」的な感想しか持ち得なかった。
まだ勧善懲悪的な痛快さや知能の卓抜さを示すようなエピソードでもあれば良いのに、
思わせぶりなセリフだけで天才だと言われてもねえ。致命的な描写の失敗だろう。
要は前2作でキャラの設定などは出来ているものとして、それ以上の書き込みを怠り
いかにくっつけるかという意識だけで話を進めてしまっているのではないだろうか。
出来事と身勝手なモノローグばかりが延々と続くように読めてしまい辟易した。

私が以前から「芝居の書割」と言って低く評価している作品は、本作のように
ストーリーが前面に出すぎてしまい出来事の羅列としか思えないものを指している。
とくにシリーズものの後半であったり、始めから長編を期して書いているものなどに
良く見られるのだが、これではあまり移入のしようもないし個人的には楽しめない。
ストーリーを書きたいのは分かるが、やはり恋愛小説なので心情は書いてくれないと
なんだかプロットを読まされているような気分になってしまう。あるいは備忘録か。
また、恋愛感情があることを所与として書かれている話にもまま見られることが多い。
この場合も2人の関係の外形的な展開に気を取られて心理描写が疎かになるのかと。
まあ心理描写がされたからといって良い作品だというわけでは全く無いわけだが、
自分として主眼にしているものが欠けている作品には苦言を呈したくなってしまう。
もし短編ならシチュだけでも良い作品になるとは思いますが、長編では辛いですね。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-08-20 00:34 | 漫画感想 | Comments(0)
2004年 08月 19日

長くなったので

分けました。意外とこの雑誌感想も手間とスペースをとるなあ・・・。
テンプレはいつもの某巨大掲示板から。一部省略してます。


【GUSH 9月号】 改めて書いてみるに微妙な評価だなあ・・・。
●金沢有倖『神の子』…スルー 目が読むことを許さない作家。
●高永ひなこ『恋する暴君』…△ キャラのパターンが少ない。少年ものの方が好み。
●越智千文『breath』…△ 双子がどちらもこの作家のパターンなのでどうかと。
●千歳ぴよこ『初恋のオキテ』…△ あり得ない体と厨絵でも嫌いになれない業が・・・。
●大和名瀬『さあ恋におちたまえ』…× 設定がありえなさすぎ。絵も死んできた気が。
●祐也『ろくでなしの恋』…▽ 絵がキモイ。みんな自己中かつ自意識過剰なのも・・・。
●新也美樹『急患です!』…スルー 絵もセンスもギャグとしても認めがたい。
●天城れの『青春男子手芸クラブ』…△ こういう馬鹿話は嫌いじゃないが目が濃すぎ。
●タカハシマコ『キレイキレイ』…◎ こういうガキ&レズっぽい話は好きなので・・・。
●日の出ハイム『あいつほんとにやなやつなんだぜ。』…〇 乳首見せシーンに悶絶。
●桜川園子『花もいばらも!』…× ベタ過ぎる展開に濃い絵。受の髪型はあり得ない。
●月宮零時(絵・小路龍流)『困った顔で強がって?』…スルー 変異ものは興味なし。
●深瀬紅音『ポケット・センチメンタル』…〇 好きな話だが展開が。受の増長は・・・。
●羽崎やすみ『学園ルンバ』…△ 相変わらずですな。


【MAGAZINE BE×BOY 9月号】 これもスルーが少なくないなあ・・・。
■不破慎理『YEBISUセレブリティーズ』…スルー 企画はもういいよ・・・。
■水上シン『前世と現世と君と俺』…スルー 異世界になった時点でサヨウナラ。
■本庄りえ『科学室へようこそ』…▽ 表裏キャラと馬鹿の取合わせは安直。性器も×。
■猫田リコ『トキメキの城』…▽ 頭小さすぎ。話もありふれてるし中身が無い。
■鈴原ひろの『ふたり純愛』…△ 全てステロタイプ。受は幼すぎだし口開いてるのも×。
■河井英杞『王子と乞食』…〇 ありえないなりに先は気になるしキャラも悪くない。
■ねこ田米蔵『神様の腕の中』…〇 こんなに泣くキャラはウザいがエロが好みなので。
■東野裕『皇帝と呼ばれた男』…スルー 絵がキモイ。しっかりしているのが迫力倍増。
■藤崎こう『秘密のヴォイス。』…▽ この人の絵はどこに行くのだろう。攻の設定が×。
■藤井咲耶『ワガママな恋のチカラ』…▽ ベタ過ぎ。中身も無いしなあ。
■九条AOI『熱病』…〇 画面が段々古くなっている気が。独特の間は好みだが・・・。
■梅太郎『十六枚の告白』…▽ 状況が不明なまま始めないで欲しい。顔の線キモイ。
■九州男児『課長の恋』…▽ もうパワーもネタもないしなあ。総ホモは×。
■鹿乃しうこ『或るホストの一日。』…スルー 非愛好者は置いてけぼりですから。


あとは『好色少年のススメ 6』を読みましたが、まあ悪くなかったかと。
たかしたと上連雀が若干好みに近くなったし、そう酷い漫画も無い(大野安之くらいか)。
逆にピカイチなものも無いが、無難に一定のレベルでまとめている(エロも含め)辺りは
さすが昨今のショタ出版ブームの先鞭をつけただけのことはあるかと。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-08-19 02:25 | 漫画感想 | Comments(0)
2004年 08月 18日

夏休みも折り返し・続き

英田サキ『君のために泣こう』はオーソドックスな義兄弟ものだが雰囲気が出ている。
幼時に分かれていた義弟と同居を始めるうちに自らの感情が恋情だと気づく辺りは
お約束ではあるがそれなりに読ませるし、落ち着いた筆致も個人的には嫌いでない。
ただ攻の元彼女に攻められて身を引こうとする辺りなどは食傷気味な展開だし、
当て馬の使い方などもご都合な上に後味が悪く、予想通りだったが萎えてしまった。
それでも一定のクオリティはあるので、ベテラン以外には悪くない本であろう。

森本あき『スキとキスの距離』は、たまにはお馬鹿で暴走するキャラを楽しもうと
買ってみたものだが、遊び人だった攻がうぶな受とセックスしたくてたまらないのに
手が出せないという点をこれでもかと強調していてもう笑うしかなかった。
男子高校生が性欲魔人だというのはありえない話ではないが、これはあんまりでは?
雰囲気が盛り上がったときやエロシーンだけ受の描写が女性化するのもちょっとねえ。
さらに続編では2人が良好にエッチをするためにいかに空回りし苦労するかを
これまた延々と描いていて、もうお腹一杯というか勘弁して欲しくなってしまった。
ここまで徹底して恋愛感情と性欲の話を繰り返されると、高校生向けの恋愛道徳の
マニュアルでも読まされているとしか思えず、作者の意図を勘ぐってしまう始末。
恋愛小説なんだからH以外にだっていろいろと書き込んで欲しいのですがねえ。

榊花月『真夜中の匂い』はもはや榊花月らしい話としか言いようがない。
家庭の事情でグレているがうぶな受が、歓楽街で見かけた教師にいつの間にか惚れ、
攻にいろいろと絡んでいくうちに手を出されてしまい、攻の真意を測りかね悩む、
と話が進む辺りはまさに榊節であり、個人的には割と好みなので話に引き込まれた。
やはり各キャラに一癖あるし、攻への恋情が育つ辺りの描写も十分ではなく、
また割と安直にトラウマ系の設定を用意しているなどのマイナス要素もあるわけで
本作も他の榊作品同様に好みが分かれるだろう。割とHがハードなのでさらに。
まあHシーンがエロいけど色気がないのは相変わらずですが。男性向けっぽいのか?

本庄咲貴『取り扱い注意の男』はヤクザものだが、それ以上にオヴィスらしい作品。
買ってからヤクザ×警官という設定だと知り、正直なところ始球式かと警戒したが、
まあ読めなくは無かったかと。ただ心情の書込みが少なく大味な上に、展開が唐突で
しかもイベントが盛りだくさんであり、読んでいて胸焼けがしてしまった。
各キャラのステロタイプでご都合な動き方もここまでくれば現実味が薄れてしまい
却って許容できるというのには驚いたが。個人的には面白い発見ですね。
それにしても主人公を襲う方々のお約束振りには目を覆いたくなるものが。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-08-18 01:33 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 08月 17日

夏休みも折り返し

というわけで諸々の追い込みに入らなければなりません。鬱ですが。
このサイトの文章を書くのもへたれながらそれなりに時間を食うものなので、
しばらくは感想も簡略的なものになってしまうと予想されます。ご了承の程を。
却ってストレス発散や逃避のために長文化したりするかも知れませんが。


朝丘戻。『わすれな人。』は兄弟もので、兄を思う弟の恋情を切々と書いている。
片思いの心情を書き込んでいながらも、あまりぐるぐると自意識過剰な感じはせず、
理性と切望との間で焦燥する様子が良く伝わってきて引き込まれるものがあった。
作中で出てくる絵本の話には寓話的な要素が強く、先に読んだ『涙忘恋歌。』が
全体として寓話めいていたことを考えると、そういったものが書きたい作家なのかと
勘ぐってしまう。こなれれば上質な恋愛譚が生まれてくることは想像に難くない。

ただ本作でも最終話でいきなり主人公が記憶喪失になっているというミラクルがあり
あまりに唐突かつ安直過ぎて萎えてしまったことは特筆せざるを得ないわけですが。
どうして素直に話を進めてくれないのか。お約束として読者に展開を読まれることに
抵抗があるのかもしれないが、別に似た話しか書けないような作家でもないのだから
わざわざ訳の分からないひねりなど入れなくても構わないと思うのだが。
読者としては突然那由他のかなたに吹っ飛んでいく話に全く付いていけないし、
却って構成力や作話力に欠けているのではないかと疑ってしまうわけで。
次回作にこそ期待したいと思っていますが、801は書かないのかなあという懸念も。


樹生かなめ『黄昏に花』はやってくれましたね。淡々と全てを受け入れるオヤジ受。
読み始めた時点で45のオッサンの視点で始まっていたのですごいとは思ったが、
枯れた筆致で強引な攻に口説き落とされるを描いていく様には正直笑ってしまった。
私は基本的にこれはギャグとして読んだのですが、正解なんでしょうかねえ。
ただ受の日常生活の描写が妙にリアルすぎるのは801小説としてはどうかなあと。
リストラの悲哀ややる気のないOL達の傍若無人振りなどを801で読まされても
エンターテインメント性は皆無なわけで。何か私怨でもあるのかしらん。
まあ801界の1つの極北を極めた作品として記憶に留めるのが正当でしょう。
リストラされて妻に捨てられてぎっくり腰起こしている受なんて空前絶後でしょう。


剛しいら『青と白の情熱』はBの色が強いか。エロ重視の書き飛ばし系ですね。
唐突な設定と展開で読者の目が眩むうちに序盤で早くも関係が出来上がるのだが、
筆力で相互の魅力や激しい恋愛感情を読者に想像させてしまうため、それなりに
読めてしまうのは流石というか。少し冷静になれば相当無茶な設定と展開なのに。
考えてみれば割と面白かった『顔のない男』も相当にむちゃくちゃな話だったし、
そういう余人が容易に考え付かないような話を筆力で強引にまとめて読ませてしまう
文章の濃密さというのは評価すべきなのであろう。個人的には食傷してきましたが。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-08-17 01:33 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 08月 07日

断頭台への行進

はじめ「断頭台への更新」と出てその当意即妙さに吹き出してしまいましたが。
もう8月だというのにサイトの更新などに逃げていて良いものやら。やれやれ。

一応雑文などもものしてみましたが、思ったよりも時間がかかり片方しか上げられず。
その他の方はとりあえず別なところで書いた原稿を一部改変して置いてみようかと。


早瀬響子『恋のソナタをもう一度』はやはりプラチナだけあって酷かった。
出来上がったカップルが別れるプロローグで始まるのだが、ここからすでに駄目で。
情報量が少ないしいきなりエロ(しかもプラチナにしては薄い)だけ書いてるし
その後いきなり3年飛ぶと言うプロットも安直過ぎて萎えるのみ。同人誌か?
しかもこのカップルは音楽家同士なのだが、どちらもリアリティが薄すぎる。
攻は留学後いきなりコンマスをやりオケに首席奏者として誘われるぶっとびぶり。
受の方は父親の会社を継ぎ経営しているというがとてもとてもそんな器とは思えず。
再会してからもろくな心情描写無くいきなりHしてるし、どちらもありえないほど
勝手に自己完結していて、お約束とはいえその安直なすれ違いぶりにため息が出る。
しかも当て馬にしたかったのか突然受の従兄弟が受に襲い掛かるのは意味不明だし、
そこにリハ中のはずの攻が駆けつけるなんて展開には反吐しか出ませんでしたよ。
久しぶりに完全な始球式作品。やはりレーベルを信用(?)すべきだったか。


麻生玲子『デンキの速度で伝われ!』は、筆力もあり中盤までの展開は面白かったが、
アーティストである攻がアマチュアボーカリストの受を何とかして手に入れようと
サイトに個人名を晒して「彼に歌わせたいから活動中止する」と書き込む一幕があり
あまりの脳みその足りなさと傍若無人ぶりに一気に醒めて引いてしまった。
受の立場からしたらまさに冷や水な訳で、これは流石にあり得ないし引くだろう。
その後いくらフォローしたってそんな男に恋愛感情を抱くのは難しいだろうし、
少なくとも本作で書かれる程度の期間やフォロー内容ではとても無理としか思えない。
まあ最後まで読めば、こうした攻の行動はきちんと批判されていて一応教訓ものだと
読めなくも無いが、「思ったことをネットで垂れ流すのがなんと危険なことか痛感した」
なんて攻のモノローグで括ってしまって終わりというのでは受も浮かばれないだろう。
下手したら作家自身のリテラシーまで疑われかねないと思うが。何を考えてるんだか。


坂井朱生『ラジオデイズ』は情緒未発達な受が攻にゆるりと絡め取られるだけの話。
大したエピソードも無くゆるい受の認識のままに話が進んでいくが、それが却って
自然な恋愛感情の育つ様子を匂わせる形になっており、悪い雰囲気ではない。
それにしては攻を好きになる理由というかきっかけが欠けている気がして微妙だが。
いくら恋愛の成長を感じることは出来ても、やはり直截な記載が無ければ困るわけで。
それでもあれこれ考えず雰囲気ににやりとしたい向きにはお勧めできるだろう。
べたべたではない甘々作品としても読めるだろうし。ちとぬる過ぎな気もしますが。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-08-07 01:11 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 08月 05日

I'm losing myself

外出が減り少し読むペースは落ちていますが、代わりに微妙に改装作業中です。


【小説Dear+ ナツ号】 そういえば小説誌ってこれくらいしか買っていないなあ・・・。
●表紙 黒江ノリコ…△ 書きたい絵と画風が合わないのでは? 印象薄い。
●ポスター 南京ぐれ子…▽ どんどん絵が壊れているような気も。
●うえだ真由『モニタリング・ハート』…◎ 攻側の懊悩を受視点で書くのは珍しいし良い。
●五百香ノエル『青い方程式』…× 番外編と知らずに読んだが何が書きたいんだか。
                       妙な自意識過剰キャラにただただうんざり。
●真瀬もと『背中合わせのくちづけ』…スルー なんで日本人で書かないんだか。
●久我有加『落花の雪に踏み迷う』…▽ 攻の性格設定がいい加減すぎるって。
                          雰囲気でごまかせる筆力は無いんだから。
●桜木知沙子『言わせてよ』…△ 目新しくない話な上にキャラ萌えも少なめ。
                     クールビューティーは手に余るのでは?
●松前侑里『Try Me Free』…〇 最近電波度が減って読めるようになってきたなあ。
                      この人の独特の雰囲気自体は嫌いでないし。
●いつき朔夜『リロード!』…△ 力量は認めるがこういう話は801以外で書きなさいって。
●門地かおり『第二ボタン下さい』…スルー 誰かこの人にストーリーという概念を。
●カトリーヌあやこ『サッカーおばかさん<出張版>』…▽ サッカーに興味がないので。


あとは『少年愛の美学8 ぼくらの夏休み』も一応読んだが総じてレベルが低く、
個人的にさそりがためと諸汰鎮孝が悪くなかった程度か。犬丸はネタがどうかと。
かるま・土肥・稲葉・よこやま辺りはお門違いだし、星逢や矢間野もワンパターンだし。
売れると濫発して劣化させ廃れるというパターンを幾度繰り返せば気が済むのか・・・。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-08-05 12:48 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 08月 03日

狂騒の続き

渡海奈穂『熱愛』はやはりこの人独自の世界が構築されていて私にはたまらない作品。
田舎町の小学校に突然やってきた綺麗な転校生。彼に幼い思慕を寄せるガキ大将が
彼をいじめるクラスメイトへの体面と自らの感情に引き裂かれてついに抱いてしまう。
しかしその直後受は再転校し、攻は受への感情に懊悩し、受も病的な執着を募らせる。
この人は相手に対する異常に強い執着心を書くことに非常に卓抜した作家だと思う。
本作ではそうした執着をキャラが表に出し、ある種病的ともいえる程に暴走しているが、
ストイックな文章が裡に滾る熱を滲ませつつも端正さを失わず抑え目に描写することで
そうした狂想が絶妙なまでのリアリティをもって読み手に迫ってくるわけですし、
エロシーンにおいても独特の、蠱惑的なのにべたべたした雰囲気を醸し出すのです。
なにせ前半はショタアンソロに載っていたくらいですから小学生同士のエロなわけで
そこにちゃんと小学生らしい幼さゆえの凶暴な執着と暴走振りが書き込んでいる辺り
流石としか言いようがないでしょう。その後の成長もきちんと踏まえて話を進めるし。

大絶賛をしてしまいましたが、当然ながらこれは私の趣味と合致しているからという
単純かつ個人的な理由故に他ならないわけで、あまり参考にはならない気もします。
当然キャラやストーリーにご都合な部分はありますし、文章も好みは分かれましょうし、
こういうドロドロがお好きでない向きも多いでしょう。エロもややどぎついかと。
それでもそう癖の強い作家というわけではないので、ご一読を強くお勧めしますが。


鹿住槇『君からの逃げ道』は絶版本の文庫化のようで、古き良き香りが悪くない。
当然鹿住槇ですからやんちゃ受に万能系だが暴走する攻というパターンな訳ですが
お馬鹿な受を嫌味でなく等身大に描けるあたりはベテランなのか本人の投影なのか。
話も明快なプロットに沿って進むし、読んでいてストレスは全く感じなかった。
類作に飽きていなければ、息抜きや疲れた時などにお勧めの作品といえるだろう。

最近のこの人の作品には妙な違和感というか相容れないものを感じていたのだが、
考えてみると彼女の中にキャラや読者を母親的な立場から捉えているような節を
感じてしまっているからかもしれない。相当なベテランだし仕方が無いのだろうが。
『マリ見て』を読んだときにも似たような感覚に陥ったのだが、キャラに寄り添って
小説を読む以上、作品にとっての神である作者が主人公を見下ろす視点に立つと
自分まで見下ろされているような不快感を感じてしまい、素直に楽しめないわけで。
読者にキャラクターへのシンパシーを持たせるのがラノベの真骨頂と思うのですが
やはり母の愛というのは強く出てしまうのでしょうかねえ。いやはや・・・。


水城薫『まなざしのレジスタンス』はルビーの前作のサイドストーリーですな。
相変わらず微妙で自意識過剰で周囲を馬鹿にしているのに人気があるという、
俺様な受がスタイリッシュっぽく振舞っていくわけですが、別の意味で微妙だなあ。
特に本作では攻が受に執着したり振り向かせたいと思う理由が碌に書かれておらず
攻パートの独白なんぞ読んでも何がなんだかサッパリで。なんでゲイでもないのに
男の子にこれだけ執着するのか謎だし、一気に監禁強姦したり策を巡らしたりと
色々やっているのも意味不明。これじゃあ攻は完全に偏執狂ですよ。気違い沙汰。
そりゃあ納得できない感情が恋だというのはわかりますが、一応小説なんだから
主人公が納得できないなりには理由などが書かれてないと付いていけないわけで。
設定しか売りが無いのにそこを疎かにされては読んでいても醒めるしかなかった。
わざわざ前作と同一世界にしてキャラを持ち出した理由も殆んど見出せないし。
前作はルビー系としては個人的に悪くない評価を下していたが、再考が必要かも。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-08-03 06:27 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 08月 02日

八月の狂詩曲

月日は百代の過客にして・・・。掌から時が零れ落ちる感覚をこの歳で再体験するとは。
いつの間にか700超えてますね。実質起動したこの1月からでも650。有難いことです。
777には自爆系のネタでも用意するつもりですが、試験期間にかかるかなあ・・・。


柊平ハルモ『とまどいの行方』は良くある擬似家族内恋愛ものといえばそれまでだが
受が早くから攻への執着(恋愛ではないが)を押し出していたり、攻の懊悩の中に
職業倫理や母親の影を書いている辺りは多少は本作の個性の形成に役立っているか。
受中心の視点で重くなくぐるぐるして、最後はしっかり絡め取られてハッピーエンド。
気晴らしやストレス発散に読むには悪くないとは思いますね。でも学生向きだよなあ。


金田えびな『先生の恋人』はキャラの設定や説明等が致命的に足りていない部分が。
美しいものを愛するという攻の設定は大して生かされていないし、起きる事件も唐突で
しかもその後受が突如誘い受けてことに及ぶ辺りも展開が急すぎてついていけない。
受が生徒に押し倒されても平然としている描写があり、後で一応説明はされているが
流石にそれはないだろうし、そもそもこの当て馬も作りがややご都合で中途半端か。
受をクールビューティー的な設定にしたかったのかもしれないが、明らかに筆力不足。
このままじゃただの謎な人か勘違い系。実はゲイだったというのも安直だし。
それでも最後までは読めましたけどね。エロも割と頑張っているようですし。


剛しいら『愛と恋の境界』はやや微妙だがこの人独特の世界を書ききってはいるので
評価は悪くない。ただ濫造のせいか地の文が説明的でそっけないのは頂けないかと。
書き飛ばしてもそれなりの質はまだ保てているので遠野春日や火崎勇に比べれば
まだマシですが、それも今後どうなることやら。やはり搾りかすになっていくのかなあ。
まず同性の愛人契約を斡旋するための会員制クラブに直情だが馬鹿ではない男が
騙されて入るという設定は面白いし、彼の目から見たクラブの構造や会員の描写、
彼の加入によりクラブ内に起きる変化や彼自身の心理的な変化等はきちんと書かれ、
一定のクオリティを楽しむことはできる。やはり文章が味気ないのが痛いが。
もう少し丁寧に書けばこういう温度の低い文章は独特の雰囲気を醸し出すのに。
あと肝心の恋愛感情についての書き込みが少なく、なぜ恋に落ちたのか不明なのも。
割とどちらも自分を貫くキャラとして書かれているので、どこでそのプライドを捨て
相手への恋愛感情を感じたのかをもっと書き込むべきだろう。一応恋愛小説だし。
まあそれでもファンの期待は裏切らないでしょう。一定の力はありますし(Aの方は)。


朝丘戻。『涙忘恋歌。』も読みましたが、これはやおいではなさそうなので簡単に。
この人も独特の作品世界を構築しますが、本作は主人公の幼さと薬師の諦念が
うまく噛み合っているし、作家カップルの恋愛譚もうまく表現できていたなあと。
やはりこの作家にはきちんとハッピーエンドを描ききる力量が十分にありましたね。
主人公と薬師との会話などをもう少し濃厚に書き込んであると、寓話くささが抜けて
主人公の行動やカップルの成立に集中できたとは思いますが、贅沢な注文でしょう。
本作を読んで初めて『わすれな人。』が出ていることに気づいたのであわてて購入。
今のところ個人的に期待できる新人は彼女以外に皆無なので、非常に楽しみです。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-08-02 11:31 | 小説感想 | Comments(0)