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2004年 01月 29日

後処理

下の日記に誤字があったのであちこち訂正・・・。ダメダメ・・・。


火崎勇『もう一度キスして』はどこかでで既読だったようだ。続編は記憶に無いが・・・。
例によって微妙に固く説明過多な文章で、機械的に書いているのかと思ってしまう。
特に続編の冒頭で状況を説明するあたりは本作に限らずどの作品でもノリが同じで
10ページくらい読むまで初読だと気付かなかったくらい(笑)。
ありがちな互いの心情のすれ違いなのはともかく何でこんなに言い訳臭いんだろう。
あと突然登場して悩みを打ち明ける友人というのもパターン化していてどうかと思う。

まあハーレクインのように定番パターンを望むファン層が多いことを考えれば、
自らの築いた地位やイメージを崩さず量産している点はお見事なのかもしれないが。
でもこれっていわゆる「萌え」から最も遠くなるような気がしなくもないのだが、
売れている点から見れば萌えている読者もいるのかも知れず、仮にそうだとすると
分からないなりに私が持っている「萌え」のイメージが違うという事になりそうだ・・・。


そういえばまた801板の消えてスレで鷺沼やすな女史が話題になっていたなあ。
確かにお金の人との合同同人誌の話を聞いた時は激しく驚いた記憶がある。
まあ話題となっていた「昔からの発言」とやらを全く知らないので何ともいえないが、
ちょっとした言葉尻を捉えて小馬鹿にしてるだけという気もするが。場所も場所だし。
プライベートで至らない点があっても作品の質とは直接的には関係しないとも思う。
まあ私は間違いなく鷺沼信者なので、目が曇っている部分もあるんだろうなあ。
稀有な作家だと思っているので、ああいった場所で名前を見てしまうと気になる。
いろんな読者がいるのは当然だから聞き流せれば良いんだろうけどねえ・・・。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-01-29 16:49 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 01月 28日

「もにょる」

これも私の趣味がばれそうな語彙ですが、意外と便利なんですよねえ・・。
週末はプライドを捨てるためのあがきに忙しかったので更新せず。いやはや。


あまり801を読む時間も無く、3冊しか読んでいないのだがどれもねえ・・・。
まずはせんとうしずく『恋の逆襲ゲーム!』はネタが・・・。
昔いじめられっ子だったキャラが二次成長で一気に男前になって元いじめっ子を攻める
というのも非常に良く見るパターンだがまあそれはラピスだから仕方ないとして、
作中で受がいきなりBLゲーをやってハマり出すというのにはついていけなかった。
まあ受はエロゲー自体やったことがないという設定だからあり得ないとは言わないが、
そんなものを題材にされた時点で個人的には萎えまくってしまう。何がしたいの・・・?
他はラピスとしては感情の動きとかをそれなりに書けている気はするけどねえ・・・。


麻生雪奈『ろくでなしHearts』は微妙。自分が年を食ったことを実感させられた。
設定も悪くないし筆力もある作家だし、『制服』はよく読み返す数少ない本の1冊である。
でもなんか妙にキャラが理屈っぽいというか説教くさい感じで、読んでいてイライラする。
キャラや地の文がが正論を吐きすぎで、青臭いと言うか入り込めないものを感じたし。
要は私がひねていて正論を真正面から言われてもくさすしかないということなのだが、
BLでやられてもしょうがないと言うか萌えにくいと言うかとにかくやりきれない。
この本も悪くないんですよ。受や攻のそれぞれの葛藤とかそれを克己する様とか。
まあ攻の行動がとっぴ過ぎるのと受があっさりそれを受け入れてるのはご愛嬌ですが。
あばたもえくぼ、「運命の出会い」にケチをつけるほど野暮なことも無いでしょうて。
とにかくもっと恋愛話を素直に書いてくれないかと切に願う。作者のメッセージ性強すぎ。

つうかこういう作家としては他に火崎勇やたけうちりうと辺りが思いつくけど、
なんで筆力あるのにわざわざそれを壊すような地の文をつけるんだろうか・・・。
やはり恋愛譚以外の言いたいことがあるんだろうなあ。それは良くわかる。
だったらサイトの日記とかでやってくれればいいんだが。作中人物の口を借りずに。
もちろん作中人物がメッセージを吐くことは全く構わないし好ましいとも言えるけど、
あまりにも多すぎたり恋愛との関連が薄すぎたりすると流石に萎えるなあ・・・。


嶋田まな海『ここが僕らのお城です』も微妙な感想。
ホモに溢れる男子高学生寮と言うネタの割に主人公へのブラインドのかけ方がうまく、
また軽いトラウマから来るホモへの嫌悪感と言うのもそれなりに料理できているのだが、
肝心の恋愛感情を育む部分が致命的に薄い。というか殆ど書かれていない。
暴走した攻から言い訳として「好きだ」と言われ、謝られてそれを受け入れる過程で
少しは受として心中を整理した描写はあるものの、そこから攻を受け入れるまでが
あまりにもあっさりしすぎ。しばらく過ごしてたらいきなり「好き」とか言い出してるし。
もとから潜在的に好意があったのはわかるが、一応トラウマや嫌悪の具体例まで描き
それで一旦関係をこじらせたあとの処理としては、あまりにもなおざりな気がする。

もう一本別カップルの話があるが、これも「気付いたら相思相愛でセックス」と言う感じで
どのようにお互いの感情が恋愛へと踏み出していったのか殆ど書かれていない。
「男は当然男にほれる、女って何?」という801ワールドな世界観なのだとしたら
(その可否はともかく)まだ判らなくもない展開だが、この本はそこまで行ってもないし。
(つうかそんな世界観の本だったらそもそも手に取らないし読むのに耐えられないけど。)
前半ぐだぐだ悩みを書いた癖にあっさり相思相愛になってHと言うのにも萎えてしまう。

あと別カップルの話はいきなり寮生が一致団結して、受けと敵対する義兄や父親を
やり込めるのだが、この辺りが誠に単純に処理されているのにももにょってしまった。
そんな簡単に親子関係が片付くかと、どんな世界かと、ご都合もいい加減にしろと。
まあ801ワールドの話なんでこんなところに突っ込んじゃいけないとは思いつつも、
作品の想定する読者レベルに照らしてそれなりにうまく処理してくれよと思ってしまう。
まあナンバランとかこうじまが好きな中高生には丁度いいんだろうなあ・・・。

実家からここ書くときはいつも酔っている気がする。筆が滑る滑る(笑)。
うかつにこんな底の浅い難癖をUPしてはいけないんだろうけどねえ・・・。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-01-28 02:38 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 01月 23日

偏在と同定・続き

柊平ハルモ『きっと甘いくちづけ』はまあ黒ラキだからねえ・・・。
金や体から付き合いが始まるからキスしないっつうのは実際にあるのかしらん。
こんなの少女漫画の中だけのファンタジーという気もするが。まあそう考える人が
いることは確かだと思うけど、こう801とかで頻発するほどメジャーだとは思えないし。
政治化のドラ息子が受との交情で愛に目覚める点はもう突っ込まないけどありがち。
初Hがずいぶあっさりとかかれているからおや、と思ったけど次からずるずる。
つうか2回目から感じすぎ。どんな人間だ。体ってそんなに都合よくできてないろうに。

読んでいて驚いて読むのを中断してしまったのは次のセリフ。
「臍の下の空洞を統一郎でいっぱいにしてもらわないと、満足できなかった。」
臍の下の空洞? つうか後ろでやってるのになんで「臍の下」なんていう表現になる?
断言はできないけどそれって女性の感覚のような気がしてならないのだが。
当然受の感覚なんて分からないので尾篭な別な方から類推するしかないけど、
間違っても臍の下であるとは感じないけどなあ。個人差なのか知らん。
まあ「801穴」なら何でもありだから別に良いんですけどね。


愁堂れな『僕だけの騎士』はまあプラチナですから何も考えてはいけません。
弁護士ものなのに何一つ法律用語が出てこなくてもスルースルー。
受がいきなり攻の家に拉致られたり、モテモテ扱いされても鈍感なのもスルースルー。
まあ物語の導入があまりにもぎこちなくて、いきなり拘留されてるという設定に
全くと言って良いほど現実感がない点や、被害者の妻の性格設定がご都合過ぎる点
(冷淡かと思えばヒステリックで、最後いきなり殊勝になったりでついていけません)、
真犯人の殺害動機の適当さなどは、もう突っ込むより先に笑い飛ばすところですね。

一人称の文章はとりあえず書き手としても視点が統一されるから書きやすく見えるが、
相手方や他人の心情を書こうとすると致命的に難しくなるのを分かっているんだろうか。
だったら素直に受けをブラインドにして伏線を張りサプライズにすることもできるけど、
当然そんな事をすることもなくただ書き流しているから展開が唐突でご都合になる。
つうか、受が鈍感で周囲の思惑や裏事情に気付かないというのはよくある展開だが、
それを一人称の文章で読者にさりげなく示して理解させるのは至難なんですね。
あまりにあからさまにとかわざとらしく書かれるとあざとさが透けて落胆させられる。

まあ売れることを考えれば設定やキャラも自ずと枠がはめられてくるし、
文章だって分かりやすいものが尊ばれるのは当然であることは理解できるが、
801本でももう少し「文章を読む悦び」のようなものが味わいたいんだけどなあ。
別に売れることが悪いとも思いませんが、他の判断軸も大事にして欲しいと言うか。
正直売れ行きと出来のよしあしはあまり関係がないを思うところがありますしね。
「売れるのがよい本」とも「良い本は売れなくても良い」とも考えたくないのですが。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-01-23 14:00 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 01月 22日

偏在と同定

なんか仕事が立て込んでるんですが、本来の仕事ではなくて
ある意味片手間というか特殊分野の管理業務が非常に活発になってしまっている。
まあ本来の仕事と違い補佐色が強いし東京に行けたりもするので良いですが。

月曜に行き付けの書店に行ったらGUSHを置くようになっていた。
桜桃の経営破綻騒ぎでエクリとGUSTが休刊したのはご承知でしょうが、
以降リンクスはすぐ置くようになっていたのにGUSHはなかなか入らなくて、
ずっと別の書店に買いにいっていたりしたのでこれで多少は便利になるかと。

まあただ現在の行きつけはカードで割引があるから愛用しているけど、
品揃え的にはGUSHを買いに行っているところのほうが圧倒的によいので、
割引がなくなる4月以降はそっちに行くようになるんだろうけど。
20時に締まるのが名古屋らしくて痛いが、定時退社日に行けば良いだろうし。
CDも出る日だから色々都合がいいしね。ジムまでの時間つぶしとしても。
でも割り引き廃止は痛い・・・。商品券を金券ショップで買うか・・・。


賀田まいと『恋愛詐欺師』は小bかBEaSTで読んだもの。普通に読み流す。
人が入れ替わっているのに気付かないのはどうかとも思うがまあお約束で流すべきか。
相手への恋心やその他の心理の動き、お互いの行動と逡巡、周囲の環境など
全てに書き込み不足があるが、不足しているなりにバランスが成り立ってしまっているし
無難に文章をまとめる力もあるので、突っ込もうとも思わなくなる感じか。
ある意味標準化されている感じだが、まあ萌えようもある気もしなくもないしね。
とにかく印象が薄い。ぱらぱらと読み流して終わりという感じだが、
そのように読み流せるという事に一定の評価を与えなければいけない現状にため息。


春原いずみ『逢えるかもしれない』は医者ものですな。このジャンルも多いねえ。
アクア文庫はアイス文庫と同じで復刊で元手を掛けずに儲けようとする代物らしい。
先月の創刊ラインナップは全て見覚えがあった(持ってる訳ではない)のでスルーしたが、
今回は見た記憶がないし、レーベルの判断材料がないので作家だけで全買いしてみた。
まあ国語力(文章力ではない)はある作家なので安心して読めるのがありがたい。

しかし人物についての描写が足りないし、トラウマも割と安直な印象があるというか、
医者として致命的な身体的欠陥をプライドのために隠しとおすというのは
作中人物とはいえ無理があるのではないかと思ったが。
主人公があっさり転院するあたりももう少しは書いた方がよいと思ったし。
女子陸上選手が単に話を転がすためだけに登場するので性格が破綻してるのもどうかと。
転院の原因である患者のわがままと病院側の保身については、
どちらかに絞って分量を割いて記述した方がよいような気もしたが。
まあ801作品なのでこの辺りにケチをつけるのはどうかとも思うけど。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-01-22 14:00 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 01月 18日

「攻っぽい」という評価軸

それはさておき、最近また気付いたことを一つ。
以下はリンクを張っている「屋根裏」のBBSのやりとりからの引用(一部改変)です。
批評目的だからよしりん判決に従えば著作権上も問題は無いはず。

>ホモは要素として、ということでしたが、そのスパイスがかーなーりー効いておりまして、
>主人公の朴念仁ぶりが最後まで遺憾なく発揮されたのが最高でした。

>ホモスパイス、ちゃんと効いてました?つか、主人公はいわゆる攻っぽくならないように
>かなり押さえたもんで、ホモっ気がなさすぎたかなと。

この「攻めっぽい」という評価軸は、実は意識しつつも明確に認知していなかったので、
このやり取りを見てはたと膝を叩いたわけですよ。
つい先日になってようやく自分がやおい業界の局外者であることに気付くなど、
数だけ読んでいても全くまだまだ修行が足りない。猛省。
といっても私の人生全てこんな感じですがね。やはり趣味には露骨にそれが出る。

上記の2点はもう少し暇が出来たら煮詰めてみるつもりですが。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-01-18 23:14 | 801雑記 | Comments(0)
2004年 01月 17日

逃避

急ににぎやかになっているのは、明らかに迫りくる試験からの逃避ですね。やれやれ。

近日読んだ801は2冊ですが以下簡単に。
新田一実『檻の中のエゴイスト』は新田一実の癖が良い方に出ていたように思う。
やや固めの文章は、それなりに芯がある受けのモノローグとしては問題ないし、
攻めのストイックさやHシーンの描写では却って筆致の陰にこもる熱を想起させて。
当て馬役が半端に絡んでくることが逆にストーリー上一定のリアリティを与えているし、
最後まで杜撰に扱わず、むしろ受攻の2人で乗り越えていくべき過去の残映として
描かれているあたりは、おそらく想定外のことと思うが効果的な演出となっている。
まあ最後に受けが突然思いつめてとっぴな行動に出る辺りにまるで説得力が無く、
このあたりの詰めの甘さで肯定的になりかけた評価もひっくり返ってしまうのだが。

京橋ナルミ『チェリー トゥ ア リップ』は・・・横紙破りですなあ。
買った時点では気付かなかったけど、このタイトルって「くちばしにチェリー」の訳?
まあ内容に受が攻からタルトのチェリーを食わせられて恍惚となるシーンがあって
わりと萌え所でもあるから良いんだろうけど、ちょっと引くタイトルだよなあ。

書き出しが誰か分からない作中人物への語りかけからだし(作者も反省しているが)。
まあ知り合ってから恋に落ちるまでの期間が長いことが、相互の感情が育つ様子の
間接的な補強材になっている(読み手として補完して読む)し、
特に攻側の屈折はありきたりな理由とはいえそれなりに書き込まれ説得力はある。
同類意識と同族嫌悪の微妙な混淆を描くのもベタだが嫌いではないので高得点。
好きだけど勝手に身を引くパターンを、単に激情で押し切って済し崩す形ではなく、
その虚実を分析するあたりも悪くない(女性キャラの口を借りてというのは減点対象)。
ただタクシーへの乗り込み際に愁嘆場を演じるあたりはちと引きましたし、
最後の解決が(特に攻の心理面において)唐突過ぎる。もっと突っ込んで欲しかった。
(商業誌でこのあたりを期待できなくなったのは寂しさと呆れと諦めを感じますがね)

2話以降はオーソドックスに波乱が来るわけだがやはり女性キャラが活躍している。
活躍させることの是非はさておき、きちんと性格立てして書いているのは長所だろう。
すぐヒスを起こすだけとか、弱気で見ているだけとか、腐女子とかには辟易なので。
ていうか京橋ナルミってわりと心情を書こうとする作家だったのね。
私の趣味には合う感じ。久々の佳作と言えるかも。愁嘆場も悪くないし。
特に受の母親の扱いの妥当さなどは特筆に値するかもしれない。
まあ家族とのしがらみなんざ要らぬ、やおいはエンターテインメントだという向きには
全く向いてないかもしれませんが、ラストは互いに家族に向き合う姿勢が爽やかだし。

つうか馬鹿笑いしたり考えないで楽しむことだけがエンターテインメントではないと思う。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-01-17 23:14 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 01月 16日

補足

因みに今年に入って読んだ本のピカイチは福井晴敏の『川の深さは』ではないかと。
「国防」という問題点から描かれる作品は多いであろうと思われますが、
その縦軸に横軸たる登場人物の希望、挫折、機微そして漢気が
綿密かつ魅力的に書き込まれていますので、ページをめくる手が止まりません。
ミステリとしての側面もあり、二転三転するストーリーに引き込まれ、
読後にはずっしりとした感慨と共感、そして希望が湧いてくる。
活字好きなら是非オススメしたい一冊。

ただ本作品はネタとしてオウム事件や北朝鮮を扱っていまして、
そのあたりはちょっと安直というか説明チックな感じもします。
そこまで背景を深く読み込まず、かつ作中人物に感情移入して読むなら
スペクタクルに浸り満足感が得られると思います。

あと、借り読みにとどめていた『マリ見て』をついに1冊買ってしまいましたが、
はまるという感覚には縁遠そうかと。なんか機械的に書かれてる感じがいや。
ていうか番外編見て思うに、この人はもうネタの引き出しが無いんじゃないかと。
綿密にしっかり立てたキャラと、スール制度という秀逸な設定をうまく使って
手駒をいろいろとこねくり回しているだけな気がしてきます。
季節ネタなどの定番とキャラの絡みをうまく料理する筆力は十分にありますし。
ただ読んでいて新鮮味が無いというか移入できないというか機械的な印象を受けます。
ろくに読み込んでみないのにこれ以上書くと殺されそうなのでやめますが。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-01-16 22:48 | 身辺雑記 | Comments(0)
2004年 01月 15日

帰去来辞

今日の出張と明日の休暇のために仕事が忙しく、
なかなかここにも書き込みに来れませんでした。
・・・という時点で社会人として激しく間違っている今日この頃。

この間書き忘れたが年明け以来読んだ本は次の通り。

剛しいらの『沈黙の狼』は初対面で恋に落ちてなし崩しHというもの。
キャラクターたちがまあ棒読みの説明口調で参ってしまう。
これは完全に剛しいらBの方ですな。文部省に捜査官を置いて
学校の腐敗を暴いていくという枠組みを設定しておきながら、
内容はただの馬鹿エロ系で心理描写もろくにありゃしない。
粗製濫造とはまさにこのことかと。書きなぐり。
まあエロには一定の熱量がありますが。

菅野彰『明日晴れても』。『毎日晴天』シリーズは割と好きで
全巻読んできたが、BLをツマにしかしないのはいい加減にして欲しいかも。
昔は切ない系だと思ったし考えさせられることも多かったけど
ここまで来ると自己啓発セミナーのテキストでも読んでる気分になる。
同様に『おおいぬ荘の人々5』も後半がうざったい。
肝心の惹かれあう部分の描写が少なすぎる。
なまじ人物が書けているだけに、読み流せず暗くなってしまう。
そろそろ全冊買いは控えるかな。神奈木智や遠野春日のように。

水壬颯子の『エスコート』は・・・王道だなあと。
努力する可愛くてきかん気な受けをパーフェクトな攻めが溺愛と。
もう売れ筋のやおいの骨組みは完全に固まってしまって
後は色づけと書き分けの問題になってしまってるんでしょうなあ。
前々からやおいとハーレクインとの類似性には気付いていたけど、
それが他のものを席巻し出すとまでは思っていなかったし。読みが甘い。

その点佐々木禎子の『誘惑のジンクス』はそれなりに独自性があったかと。
当て馬をしっかり書ききって話を一筋縄に持っていかないあたりは
やはり熟練を感じさせるなあと。イラストもうまくマッチしているし。

せんとうしずくの『真冬の蛍』はオーソドックスさが却って珍しく
割と入り込んで読めてしまい意外な感が。
こういう普通の高校生が普通に恋愛していくのって
貴重だと思うんだけど、最近はどうしても設定が派手になったり
ナンバランみたいな白痴系に走ってしまうものが多くて困る。
まあ鷺沼やすな嬢の『その日、僕たちの爪と歯が。』がバイブルな時点で
奇特な設定は苦手などころか好きらしいことは自明ですが、
これが派手さを持ち出すと途端に駄目になる。
要は文章の説得力の問題なのだろうけれども。

きたざわ尋子(また買ってるよ・・・)の『あやうい嘘』も王道系ですな。
ボディガード系ってのはいい年こいた社会人が肉体美を誇ってることに対する
適当なエクスキューズであると同時に、受けの危機を救ったり
エロシーンで絶倫を誇ったりと誠に都合がいいわけですが、
読んでる方も書いてるほうも飽きないのかねえ。
まあクライマックスへの恋愛感情の盛り上げを助けるツールとして、
単なる喧嘩ような陳腐なもの、あるいは家庭環境のような重いものではなく
生きるか死ぬかという局面を出して愛を確認させたいのだろうけど、
読み手としては既にその生きるか死ぬかという局面が陳腐化しているわけで。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-01-15 22:48 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 01月 10日

視点

東京に帰ってくる間に、きたざわ尋子の『指先』シリーズ3冊を一気読み。

1巻は従兄弟の設定がどうかと。あと受けの魅力の描写が足りない気が。
出会いのむちゃくちゃな偶然性は仕方ないとしても、
受けが攻めの誘いに応じて同居したりするくだりは説明不足ではないかと。
運命の出会いだというならなぜ引かれたのかを少しは書き込んで欲しい。

2巻では受け視点で進む話に思いついたように入る攻め視点が気になる。
冒頭から79ページまでずっと受け視点で来ておいて、
Hシーンの導入が終わったところでいきなり攻め視点ってのはどうよ・・・。
読んでいて思いっきり置いていかれましたがね。
受けにシンクロして呼んでいる読者にとってこの方法は全くの裏切りではないかと。
お決まりの女性ライバルは小奇麗にまとまっていて嫌悪感が少ない。
逆に影が薄すぎてどうかという気もするが。
相変わらず受けの魅力についての描写が少ないのに、
いきなり友人がしみじみと語りだしたり襲い掛かる輩が複数現れたりと
非常にアンバランスというか付いていきにくい印象を受ける。

3巻は何というか書く動機が惰性によるものではないかと疑ってしまう。
甥の中学生にある程度の人気が出ることは分かるが、
だからといってメインカップルに無駄に絡めて1本仕立て上げるのはどうかと。
なまじ描写力や構成力があるだけに作品として仕上がってしまう辺りが
かえってたちが悪いような気がしなくも無い。

10点満点中4点くらいだろうか。著しく悪い評価ではない。

酔いに任せて書き散らして寝ることとする。
つうか私の嗜好的にはやはりきたざわ尋子は避けた方が賢明か・・・。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
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by bonniefish | 2004-01-10 03:00 | 小説感想 | Comments(0)
2004年 01月 08日

局外者

あけましておめでとうございます。

ってもうなにがめでたいのやら。
7ヶ月近く放置してましたね。いっそすがすがしいか。

年も変わったのでまあぼちぼち行こうかとね。
読んだ本は全てここに書くというのが当面の野望(ちっちゃ・・・)。
でももうそれ以上なんて望むべくもありませんわ・・・。

某巨大掲示板において私の好きなやおい作家*1さんについて
「萌えがない」「一般読者には受け入れられやすい」
との評価がなされているのを見て考え込むことしばし。
9年もやおいを読んでるのに、いまだにやおい萌えが分からないのはどう言う事だと。
少年漫画読んでもやおい萌えしないし、パロにも興味がないのはなにゆえかと。

つうか私はやおい本を単に数多く読みこんでいるだけで、
結局のところ「やおい」の世界を局外者として見ているのではないかという
疑いを持つようになりまして、我ながら些かのショックを受けております。

本当はやおい友人がそばにいれば話もできるんだろうけど無理だし、
またオフにでも出かけてみようかしらん。次回は試験なので無理だけど。

(初出:『Ethos』「やおい雑記」。本記事は2006年10月12日に転載されたものです。)
*1: 鷺沼やすな女史のこと。彼女について述べた記事もありますのでご参考まで。
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by bonniefish | 2004-01-08 12:00 | 801雑記 | Comments(0)