2006年 04月 16日
ここへの逃避を戒めるという目標があっさりご破算になって、微修正まで始めてみたり。 知人に感化された(多いなこのパターン)毎日更新のたがが外れた途端ネタが浮かぶ罠。 ここしばらく北村薫『空飛ぶ馬』所収の「赤頭巾」のエピソードを思い出すことしばしでして。 有名で引用も多い「~知は永遠に情を嫉妬せざるをえない~」のくだりの前にある一節。 「その時、あまり理に落ちすぎても噺が小さくなります」 「おおかみを赤ずきんと森で会わせないのは、《どうしてそこで食べてしまわないのか》と思うからでしょう」「勿論、そこで赤ずきんが食べられてしまってはお話になりません。しかし、おおかみの側に食べていけない必然性はないのですよ」 「それだから、この方はおおかみと赤ずきんを引き離したのです。けれどそれは、おおかみと赤ずきんの森に於ける魅力あるやり取りを、一つ捨てたということでもありますね」 吉田ナツ『恋をしてはいけない』 文章・構成〇恋愛度◎ ネタ〇 バランス〇 好み〇 若干浅い所はあるが心情も書けているし、キャラも展開も悪くなく予想以上に楽しめた。 前作とは随分雰囲気を変えてきた感じ。ただ所々妙な古臭さが混じるのが気になったが。 うえだ真由『8年目の約束』: 文章・構成〇 恋愛度〇 ネタ△ バランス〇 好み〇 イラスト効果もあるか(苦笑)。心情描写は良いんだがちょっとキャラが後ろ向きだし、 設定が大時代がかっている割りに浅く映るのも惜しい。学生もの向きの作家なんじゃ? 榊花月『子どもの時間』 文章・構成〇 恋愛度△ ネタ〇 バランス〇 好み△+ 切なさが若干上滑り気味だしちょっと恋愛部分が弱いか。「母親のオトコ」がネタだったら もっと良かったんだが・・・。続編の方が面白いというのも珍しいかも。ここは高評価。 神奈木智『逢うときは、いつも恋人』: 文章・構成〇 恋愛度△ ネタ▽ バランス〇 好み△ 受の我侭さがあまり魅力的でなかったり、挿入したエピソードが浮いている辺りが惜しい。 血縁ものは漫画やエロ/ギャグ小説なら読めるのに、シリアス小説だときついことを発見。 岩本薫『13年目のライバル』: 文章・構成〇 恋愛度△ ネタ▽ バランス〇 好み△ 13年引っ張る理由が弱い気が。普通にすぐくっつけても問題ない展開だと思うんだが。 どうでも良いけど系列会社の「ANEX」って「ANNEX」の間違いじゃあないよね・・・?
by bonniefish
| 2006-04-16 23:59
| 小説感想
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