2010年 05月 24日

知らぬは本人ばかりなり

自らの不徳によりおひとりさま生活に戻って久しいのですが,それでも何故に本ブログに
書き込みをする気が起きないのかつらつら考えるにふと思い当たった理由に愕然とし,
思わず芋焼酎の『竈』の一升瓶を夕方から半分以上空けたのがつい先日のことでしたが,
畏友から再びのプレッシャーを受けたのを機に4か月ぶりにPCに向かっております。

詳細は私の貧しい対人関係をさらに狭めかねないために詳らかにはいたしませんが,
要は801を読んでいる理由である私のethosが,本ブログへの書き込み以外の形で
発散(昇華?)されていた訳でして,我ながら自らの現金さには驚嘆するばかりです。

まあ御託はさておいて,一応備忘録をば残しておきましょう。

・ここ数か月の一押しは平喜多ゆやの初単行本『ねこになりたい』でしょうかね。
 自分がはまった独特のエロさは出ていないものの,キャラの心情の拾い方は流石。
 考えてみればかなり乙女だったり不思議だったりするキャラたちが,違和感無く
 作品内におさまっている所が良いのでしょう。今月の新書館からの新作にも期待。

・あとは懐かしさに買った南野ましろの『しっぽのきもち かんぺき』が予想外に◎。
 かつての一時期は「なぜ801雑誌には動物漫画がこんなに多いんだ」などと
 憤っていたこともありましたが,振り返って纏めて読むとかなり癒されますなあ。
 考えるに,801をファンタジーとして現実と乖離した癒しとして読む層にとっては
 こういう動物漫画も同じニーズとして括られるわけなんですね。今更にして納得。
 まあ最近のマガビーの『わんにゃん日和』はベタだし「性別受」臭がして微妙ですが。

・そういえば乙橘の『少年メイド』のベタさにどっぷり浸かっていることが未報告かと。
 各キャラのダメさとけなげさと可愛さのバランスに読んでいていたく和まされます。

・・・こうやって挙げていくと割りと癒し的な作品に強く親和性を覚えているように感じ,
自分が思ったより疲れているか老いているのではないかという気がしてきましたが。

そういえば海嶋怜の『たんぽぽのまもり人』に801萌えしかけた挙句,ラストで
目頭を熱くしてしまった辺りからしても,やはり疲れているんでしょうかね・・・。
さらに言えば,三浦しをんの『風が強く吹いている』にもどハマりしましたし・・・。


あとは畏友のリクエストにより,百合アンソロジー『つぼみ vol.6』に対する雑感という
801ブログに置くには違和感を覚える方もいるかもしれない内容で埋めてみようかと。

これは畏友も私もともども敬愛するナヲコ先生が作品を描かれていることから,
百合は読まないという思想信条を捻じ曲げて畏友から借りてきたものなのですが,
改めて読んでみるに801との親和性が高い作品も少なくなくて驚かされました。

百合を(あまり)読まなかったのはひとえに,百合を愛でる方々がネットで書かれている
意見と相容れることがほぼ皆無であったからなのですが,本誌の執筆陣を見れば
分かるように,百合描きの中には801を描いているような人も含まれている訳ですし,
同性間の情動として描くことで際立つような感情をテーマに据えている作品については,
百合と801は主人公の性別以外に差が無い(その差の大きさはさておき)訳ですから。
(そういえば私の敬愛する紺野キタ女史は801の単行本に百合も入れてましたね・・・)

とはいえ801やショタの黎明あるいは乱立期によく見られたことですが,本アンソロも
作品の平均レベルは余り高いとは言えず,玉石混淆の様相であることは否めません。
そんな中でも個人的に気付いた点などをいくつか簡単に述べておきましょう。

・どうやら百合読みの間で評判が高いらしいカサハラテツローの『タンデムLOVER』は
 文系オタクが片思いの相手と同じオタク趣味でありかつ両思いであることが分かって
 ハッピーだったね,という大変身も蓋も無い話でして,予想通りそのご都合っぷりが
 愛でられているようで幻滅。オタクの去勢されぶりが如実ににじみ出ているなあと。

・目当てのナヲコ先生の『プライベート・レッスン』はいきなり3話から読んだこともあり
 若干展開のための話というか情感が見られない感じだったのでやや物足りなさも。

 というか高校生の女の子2人が,相手と交流を通じて己が在り方を模索する様を,
 画面から溢れ出すほどの痛みと希望と輝きをもって描き出した,『voiceful』という
 奇跡的な作品を読んでいるので,期待過剰になっているのは自覚していますが。

・あとは鈴木有布子の『キャンディ』は,相変わらずの彼女らしい真っ直ぐな清冽さで
 恋愛を描いていて高評価だが,これはタチ役の女の子を普通に男の子にした方が
 すんなり読めてかつ面白い作品になる気がしてならない。ある意味百合性0かも。
 同様に思ったのが玄鉄絢の『星川銀座四丁目』と犬上すくねの『はさみとゆび』か。

・別な意味で百合ではないが良いなあと思ったのが水谷フーカ『はみだし音楽隊』。
 私はこういうベタに頑張る話は好きですし,百合も良いスパイスになっている気が。

・百合的な作品で文句なしに一番気に入ったのはきぎたつみ『ロンサム・エコー』。
 両キャラがいずれも謎を含みつつ非常に立っていて魅力的だし,両者の関係が
 どう進展していくのか気になる話の作り方は見事かと。絵にも雰囲気があるし。
 あとは大朋いずみ『Green.』も悪くない。私の考える百合のテンプレに近いかも。

・関谷あさみ『無限遠点』とコダマナオコ『レンアイマンガ』は,どちらも同じような
 話を801で散々読んでいたのに,改めて百合ものとして目の前に提示されると,
 百合の方が自然ではまっていて面白いという,個人的には眼から鱗な作品。
 特に後者は801では飽き飽きしていた「偏執と作家もの」なのに,百合にすると
 途端に描写に説得力と読み応えが出てきたのにはびっくりした。続編に期待。


肝心の801の感想を大して書いてないのに何をやってるんだという感じですが,
まあ数少ない読者からの要望を優先したということで,平にご容赦をば。
さらには今後の更新ペースを約束することも避けておいた方が良いかなと・・・。
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by bonniefish | 2010-05-24 02:52 | 801雑記 | Comments(0)


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